
最終回「祭りの後にさすらいの日々を」で、やっぱり号泣。
AmazonPrimeで「傷だらけの天使」を全26話見た。
大好きなドラマだったが、実はちゃんと見たのは3分の1くらい。
3分の1は断片的に覚えているシーンもあるが、
3分の1は全く見てなかった。
だから今回、50年の年月を経て、初めて完食。
長生きしてよかった!と思ってしまった。
この時代まで生き延びて幸福だ。
その「傷天」、この間も書いたけど、
今の基準で見ると、かなりひどい出来。
最近の映画やドラマの悪口を言う人は多いが、
30年前にラジオドラマの脚本賞を
取らせていただいた人間の目から見ると、
今の脚本・演出・演技、
すべて30年前よりはるかに高いレベルにあると思う。
少なくともテクニック的には。
だから50年前のこの作品が、
稚拙で雑なつくりに見えるのは当然かもしれない。
でもね。
面白いかどうかとなると話は別。
うまけりゃいいってものじゃない。
ちゃんと伏線があって、きれいにストーリーがつながって、
オチがついてりゃいいってもんじゃない。
本当にめちゃくちゃだけど、
このノリはどうだ。この勢いはどうだ。
ショーケンと水谷豊はもちろんいいのだが、
両岸田をはじめとする脇役のすばらしさ。
脚本家、監督をはじめ、製作スタッフの息遣いが伝わってくる。
喫煙シーン、暴力シーン、セックスシーン満載で、
コンプラなんてくそくらえ。
何よりも、あの70年代の東京の空気が
あまりにも鮮やかに封じ込められている。
戦後まだ29年、30年の世界。
ここで描かれているのは、29歳・30歳の若い日本。
新宿も渋谷も横浜も、かなりヤバい街に見える。
今の日本は、いいにつけ悪いにつけ、
おとなになって老成した80歳なのだと痛感する。
キャストもスタッフも大部分がこの世を去り、
もはやリメイクは不可能だが、
なんと作家の矢作俊彦が、
ショーケンとメインライターだった市川森一に許可を取って、
2008年にリメイク小説を書いていたと知って、びっくり。
きょうはとても冷静に書けないが、
これからまた、この昭和の名作「傷だらけの天使」について
いろいろ書いていきたいと思います。
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