探偵小説「茶トラのネコマタと金の林檎」のご紹介

 

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都会の片隅でかろうじて生きている、しがない探偵は、

いつも仕事に、カネに飢えている。

けれどもカネのためだけで働くには、

やつも、やつの相棒もお人好し過ぎた。

夢見る女のために奮闘する心やさしき男たちの物語。

あなたの連休のおともに。

 

 

若き私立探偵の健太のもとにホームページ経由で、開業以来、最高のギャラが発生する難事件の依頼が飛び込んだ。

山中に埋められた、時価数億円に上る金の林檎の捜索だ。 

健太は相棒である便利屋の中年男・六郎を連れて現場に飛ぶ。 

そこに現れたのは茶トラのネコみたいなオレンジ色の髪をし、

魔女のような真っ黒な服に身を包んだミステリアスな高齢女性。 

健太はその依頼人に“茶トラのネコマタ”というあだ名をつける。

 

ネコマタの目撃談によれば、10月の第3日曜日の夕暮れ時、

黒い服の4人組の男たちがこの山にやってきて、

どこかから盗み出してきた大量の金の林檎を埋めていったという。 

しかし明らかに彼女の話はおかしい。

これはかつて女優だったという女の空想か?幻想か?妄想か?

健太と六郎は、その話を信じたふりをして、

山中の雑木林に入ってスコップを振るい、

肉体労働に精を出すことになった。

 はたしてこの難事件はどんな“解決”に至るのか?

それぞれ心に傷を負った若者、中年、年寄りが織りなす、

コミカルでファンタジックな探偵小説。