つまらない大人にならない

 

自分の中で特にヒーロー視する人物はいませんが、

佐野元春さんだけには注目しています。

 

かつて「つまらない大人にはなりたくない」

と歌っていた佐野元春ももう70に近い齢。

口だけでなく、本当につまらない大人にならなかった。

齢をとれば取るほどカッコよくなっていることは、

コヨーテバンドを率いて演奏する

彼の姿を見れば、誰もが認めるところです。

 

現代を生きる人間として、ある種の理想的。

He has aged badly.

座標となる「ポーラスター」です。

 

その佐野元春が、昨年はコヨーテとともに

「ヤングブラッズ」を、

今年は「ガラスのジェネレーション」をリメイク。

どちらも元気の出るご機嫌なロックナンバーでしたが、

いまの彼が歌うと、少し切なさを帯びた、

とても深みのある歌に聴こえてきます。

 

ここでニューバージョンを作ったのは、

オールドファンへのサービスなのか?

若い世代へメッセージを送ろうとしているのか?

いや、もしかしたら同世代のシニアたちに、

もう一度、「荒ぶる胸の思いをよみがえらせろ」

「つまらない大人になるな」と

鼓舞しようとしているのかもしれません。

 

個人的には自身のニューヨーク体験を

サウンド化した「ヴィジターズ」(1984年)が好きなので、

あのアルバムの曲をリメイクしてほしいと思っています。

特に40年前、日本人として初めてヒップホップを導入した

「コンプリケーション・シェイクダウン」。

あのクールな傑作を、

新しい歌詞で再現してくれるとうれしい。

 

♪フィジカルなダンス メンタルなダンス

システムの中のディスコティック

というサビの歌詞は、40年前よりむしろ現代こそ響く言葉。

佐野元春の歌を聴くと、僕もまだまだこれからだ、

時代の流れに抗って生き続けるべきだと思うのです。

 

 

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