週末の懐メロ180編

 

今年はブログで3年半連載した

「週末の懐メロ」を終えて、6冊の本にまとめた。

第1回「5年間/デビッド・ボウイ」から

最終回「オールウェイズ・リターニング/

ブアイアン・イーノ」まで、

国内外を問わず、自分が好きだった

楽曲・ミュージシャンについて

トータル180のエッセイを書いた。

 

最初は手抜きコンテンツとして始めたのだが、

やっていくうちにどんどん面白くなって、

自分の記憶・当時の時代状況や

音楽雑誌で読んだこと、個人的エピソード、

そして、YouTubeをはじめ、

各種ネット情報などをかけ合わせ、

ネタにした楽曲・ミュージシャンによっては

2千字、3千字におよぶこともしばしばあった。

 

20世紀の頃には知り得かなった

歌詞の詳しい内容、ミュージシャンの来歴、

その楽曲が生まれたエピソードなども

発見・深掘りできて、毎週とても楽しかった。

 

あの頃、心を満たしてくれ、

神秘の世界・感情の世界に誘ってくれ、

普通に生きているだけでは感じられないものを

体験をさせてくれた20世紀の

ロック・ポップカルチャーに感謝の念が尽きない。

 

人間が生きている限り、

音楽がこの世からなくなることはないが、

栄華を極めた音楽産業は、

この先、衰退の一途を辿るだろう。

 

今後はAIが進化して、誰でも簡単に、

いくらでも良い曲がつくれると言われている。

しかし結局、

それらはこの20世紀ロック・ポップカルチャーの

膨大なデータがあるからこそ生まれるものだ。

 

1950年代~90年代の天才たち、

そうでなくても、この時代、

幸運にも音楽の神とコンタクトできた者たちの

感性・知性から生まれた音楽の価値は、

これからも、いささかも下がることはないだろう。

 

アーカイブ文化が発達して、

僕の息子のような若い人たちでも、

僕などよりははるかに

20世紀ロック・ポップカルチャーに

詳しい人たちがいっぱいいる。

そうした人たちの勉強になるようなものではないが、

当時のリスナーの私的な感想・意見を交えた

雑文として読んでもらえたらいいなぁと思っている。