有権者の権利放棄で、悪夢ふたたび・みたび

 

土曜日に亀戸に行った帰り、

立憲民主党の野田代表が

駅前で演説しているのに出くわした。

大勝おめでとう。

でもだいじょうぶかな?

 

15年前の政権交代。

「悪夢の民主党政治」と、

安倍元首相は繰り返し、国民に刷り込んだ。

 

確かに悪夢だったかもしれない。

旧民主党が失態を繰り返し、

「やっぱり変えてもだめだ~」と、

国民を失望させた罪は大きい。

もともと変わるのが大嫌いな日本人が、

ますます政治を変えることに消極的になった。

 

おかげであの時は、自民党のアピールが説得力を持った。

そして目先だけの経済政策がウケて、

多くの国民が安倍政権を支援した。

 

それに乗じてこの10年あまり、

裏金問題をはじめ、やりたい放題。

「1億総活躍社会だ!」

「みんな100まで幸福に生きよう」

なんて美談が語られる一方で、

若者も高齢者もカネのことで頭がおかしくなり、

振り込め詐欺、投資サギ、インチキビジネス、

果ては闇バイトによる強盗殺人が横行する

社会になってしまった。

「悪夢の自民党政治」の成果。

これまた「失われた10年」ではないか?

 

しかし、これはこの10年あまりのことだけでなく、

昭和・平成と続いてきた、

この政党の生活習慣病みたいなものである。

僕の人生に匹敵するほど

長期にわたって築きあげた利権構造は、

ちょっとやそっとで崩れない。

 

今回の選挙で立民が大躍進したが、

野党第一党ということで、自公政権にお灸をすえるために

仕方なく投票したという人もすくなくないだろう。

けど、「お灸をすえる」なんて、

甘っちょろい、のんびりしたことを

言っていられる状況なのか?

 

かつてのトラウマもあるし、

そもそも立民に野党を束ねる力がないので、

すぐに政権交代には繋がらないだろう。

 

これからどうなっていくのか、

まず見守るしかないのだが、

このひどい状態を作り出した最大の原因は、

53%という、前回を下まわる低投票率がある。

 

いくらネットが普及し、SNSが広まっても、

結局、政治のことなど、みんな他人事だから、

情報などあってもなくても同じなのだ。

 

だけど政治を、生活の基盤となる社会構造を

いつまでも無視できるのか?

経済問題のみならず、

ロシア、北朝鮮、中国の動きなど、

国際情勢もやばいし、

アメリカももしトランプが再選されたら・・

という不安がある。

イスラエルとパレスチナの戦争も

まったく影響がないわけがない。

そして、今回の選挙ではほとんど触れられなかった

少子高齢化問題や教育問題。

 

耳障りの良い美文フレーズばかり聞かされて、

こうして手をこまねいているうちにも、

僕たちはどんどん齢を取っていく。

 

いやがおうでも、日本にも何か大きな変化が迫っている。

自分を含め、変化がきらいな日本人も、

近いうちにまた、

何らかの悪夢を見なくてはならない。

そんな覚悟も必要なのではないかという気がしてしまう。