同級生の「偲ぶ会」をやって

 

今年4月に学生時代の友だちが亡くなったので、

先週、同級生を集めて「偲ぶ会」をやった。

 

訃報を聞いた時は、そうでもなかったが、

こうした会を開いたり、追悼文を書いたりすると、

その友だちが、この世界にいなくなったという事実が、

後を追ってじわじわと体に沁み込んでくる。

 

まったく思いがけないことだったが、

おかげでこの1週間ほどメンタル不調に陥った。

 

20歳の頃、いっしょに劇団を立ち上げた仲間だったので、

ちょっと特別な存在だった。

ただ、20代後半以降は

これといって親しく交流していたわけではない。

年賀状で近況報告をやりとりしていただけだ。

出会って5年間ぐらいがすべてと言ってもいいくらいだ。

 

若い時代は損得勘定抜きで、

いろんなやつと付き合っていた。

「抜き」というより、アホだったので、

どうすれば損で、どうすれば得なのかが

そもそもわかっていなかったと思う。

 

けれどもそうしたアホな時代の思い出こそが、

ここまで生きてくる間、

心を満たす財産になっていた。

そして、この財産は一生残り続けるのだろう。

 

もし、認知症になったら、

社会人としての分別や損得勘定は忘れてしまっても、

アホな連中と演劇をやった記憶だけは残るのかも。

心の底から楽しんで、一生懸命やったことは、

きっとずっとそのままだと思う。