昭和アイドル 麻丘めぐみと「芽ばえ」

 

「昭和99年の思い出ピクニック」に載録した

「シェー!と麻丘めぐみと昭和歌舞伎」を読み返し、

50年ぶりに麻丘めぐみの歌が聴きたくなって

YouTubeで探してみたら、どんどん出てきた。

 

ジャケット写真を見ているだけでぽーっとなる。

その頃、部屋に貼ってあった

雑誌「明星」の付録のポスターも思い出した。

デビュー当時16歳。

僕は中学生になったばかりだったが、

こんなきれいでかわいいおねえさんが

この世にいることに心震えた覚えがある。

 

生まれて初めて買ったLPレコードも

麻丘めぐみの「さわやか」だった。

これもYouTubeでフルで聴ける。

いやいや、恵まれた世のか中になったものだ。

 

大ブレイクしたのはシングル5枚目の

「わたしの彼は左きき」だが、

いま聴くとデビュー曲「芽ばえ」が

いちばん興味深い。

 

昔は大好きな彼氏への恋心を歌った

わりと単純な歌詞だと思っていたが、

いま聴くと行簡に

ちょっとミステリアスなドラマを読み取れる。

 

特に2番の

♪誰か人に心を盗み取られ 神の裁きを受けたでしょう

 

というところは、

アイドル歌謡から逸脱した文学性を感じてしまう。

彼女は子どもの頃からカソリック教徒だという話を

読んだが、

それと何か関係しているのだろうか?

 

あまり歌が上手でない印象があったが、

これもいま聴くと、高音でちょっと裏返って

微妙に揺らぐところが

何とも言えない味になっていて、とても良い。

 

そしてサビの「離れないわ~」の3連呼が残響して

頭のなかを離れない。

ああ、昭和の歌、昭和の香り。

永遠の麻丘めぐみ。

 

 

ゴールデンウィークは読書でゆったり。

昭和の世界を探検してみよう。

 

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