64歳と14歳の「今はまだ地球がふるさと」

 

「僕が64歳になっても、きみは僕を愛してくれるかい?

と歌うのは、ビートルズの

「ホウェン・アイム・シックスティー・フォー」。

この歌が出された1967年頃は

64歳がイギリス人の平均寿命だったらしい。

同じころの日本人の寿命はもっと短かったと思う。

自分もその齢になって、ちょっとドキドキしている。

 

齢を取っていいことは、経験したどの年齢にも

自由自在に往復できること。

なので還暦を超えると時おり中二病が再発する。

中二の時は「中二病」なんて言葉はなかったけど。

 

おとなみたいに適当にやり過ごすことができなくて、

「生きる」ことに対して一生懸命に考えている中学生

――にたまには戻ってみてもいい。

 

そうしてこの先のことを考えてみる。

わたしは、あなたはどう生きたいのか?

そんな思いがあって出来上がった話。

 

 

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今はまだ地球がふるさと

 

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自分は“宇宙人とのあいのこ”だというリコは、

小学校時代からの親友サーヤとともに

あちこちの葬式を巡り

「故郷の星へ帰っていく人たち」を見て回っては

聖女のごとく祈りを捧げている。

 

そんなとき、偶然、終活サポートの仕事をしている

中年男・中塚と出会い、彼を介して、

ひとり暮らしでハーモニカ吹きの老人・

小田部と知り合った。

孤独死予備軍の小田部に興味を引かれたリコは

彼に「星のおじいさま」というあだ名をつけ、

食事や掃除の世話をするために家に出入りするようになり、次第に親しさを深めていく。

 

そんなリコに恋したシンゴが彼女の気を引くために

「きみのためにUFOを呼ぼう」

と言ってアプローチすると、

リコが生きる世界にさまざまな

不思議な現象が起こり始める。

 

 

子ども時代を卒業し、

人生の旅に出る支度を始めた少女の、

夢と想像と現実が入り混じった日常生活を描く

青春×終活×謎の空飛ぶ円盤ファンタジー。