週末の懐メロ162:天国への扉/フェアポート・コンベンション

 

1973年リリース。

ボブ・ディラン屈指の名曲を

サンディ・デニーとフェアポート・コンベンションが

カヴァー。

 

60年代後半から70年代前半にかけて活躍した

イギリスのフォーク/ロックバンド 

フェアポート・コンベンションは

民謡・古謡を現代風にアレンジした楽曲で、

その後の多くのロック/ポップバンドに影響を与えた。

 

また、ジュディ・ダイブル、サンディ・デニーという

二人の伝説的女性シンガーを輩出したことでも知られる。

 

ジュディ・ダイブルは、

グレッグ・レイク加入前の

最初期キング・クリムゾンに参加し、

「風に語りて」のアーリーバージョンでヴォーカルを担当。

長いブランクを経てカムバックした2000年には

ソロアルバムで新アレンジによる

21世紀版「風に語りて」もリリースしている。

 

サンディ・デニーは、レッド・ツェッペリンⅣの

「限りなき戦い」にゲストヴォーカリストとして参加。

ロバート・プラントとのデュエットで、

神話的な楽曲の創造に貢献した。

その残響は次曲「天国への階段」の

イントロにも繋がっている。

 

31歳で夭折したこともあって、

その歌声は伝説として語り継がれ、

死後半世紀近く経った今でも、

多くのミュージシャンのリスペクトを集めている。

 

「天国への扉」は、もともとボブ・ディランが

映画「ビリー・ザ・キッド」のテーマ曲として

書いたものだが、

多くのミュージシャンがこの曲の虜となり、

カヴァーにチャレンジ。

 

そのなかでも

サンディ・デニー&フェアポート・コンベンションの

原曲と対照的な、聖なる雰囲気を漂わせるパフォーマンスは

とりわけユニークで聴きごたえがある。

 

もちろんワイルドでたっぷりエモーショナルな

 本家ディランのハーモニカもしびれる。