昭和卒業の準備

 

谷村新司さんが亡くなった。

正直、アリスの歌も、谷村さんの歌も

あまり好きじゃなかったので特に思い入れはないが、

テレビの追悼ニュースなど見ていると、

やはりなんともいえないものを感じる。

 

今年はYMOの高橋さん・坂本さんが

相次いで亡くなった。

それとともに長年、芸能界で大きな影響力を持っていた

ジャニーズ事務所が終焉した。

 

こうした芸能・アート関係の

新陳代謝を目の当たりにして、

昭和が一気に遠くなったという感じがする。

 

最近はテレビでもネットでも

やたら昭和コンテンツが増殖して、

ブームになっているとか言ってるけど、

なんだか嘘くさくて胡散臭い。気持ち悪い。

はっきり言ってもう「昭和」は賞味期限切れだ。

 

来年早々、「昭和99年の思い出ピクニック」

という本を出そうと思っているが、

これを出し、再来年、昭和100年になったら

昭和を卒業しようと思う。

 

と言っても実際はできるわけないことはわかっている。

でも、これからはあくまで昭和の文化を

未来への「資産」として見做す視点を持てないと、

ただの懐かしがり屋さん、

ただ終わりを待つだけの老人になっていくだろう。

 

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叔母の温子(ながこ)はロサンゼルスの下町のアパートで孤独のうちに死んだ。

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