叔父・叔母(伯父・伯母)や従妹といった
少し距離のある家族とは、
子供の頃(小学校低学年まで)は密な関係だった。
しかし、時代が進んで貧乏な昭和から
豊かな昭和に変わると、
みんなバラバラになってしまった。
次に会う時は葬式だったり、
最近は葬式にも呼ばれない、行かない。
そもそも葬式をしないことも珍しくなくなった。
そうした家族は確実に自分の人生の一部分を
つくっているというのに。
しょっちゅうではないが時々
そうした離れた家族のことを思い出すと胸が痛む。
人生破綻した人、自殺した人もいる。
子どもの頃の記憶しかないので、
あの人たちがそこまで
追い詰められなけばならなかったことが
どうしてもリアルに感じられない。
そして、もう知りようがない。
そんななかで賢くも度胸もないのにも関わらず、
還暦過ぎまでのほほんと生きてきた自分は
本当に運がいいのだなと思う。
叔父・叔母(伯父・伯母)や従妹といった家族とは、
ていねいに関係を保てば、
互いによい友人・よい人生の伴走者になれる。
僕はそれをしてこなかったが、
未だ遅くない人は修復してみるといいかもしれない。
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叔母の温子(ながこ)はロサンゼルスの下町のアパートで孤独のうちに死んだ。
リトルトーキョーの小さな葬儀屋の一室で彼女の遺骨を受け取った甥の「わたし」は供養のために、可愛がってくれた叔母と昭和の家族についての話を葬儀屋に語る。短編。2万3千字。
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