シティポップのミックスを聴いていたら偶然の再会。
かなり遠い昔、
高校時代にラジオで1度聴いたきりの曲で、
曲名も歌手の名前も全然知らなかったが、
さわやかで親しみやすく、ちょっとだけメロウな旋律と
「シュワっとはじけて」という夏っぽいフレーズが、
頭の奥の引き出しに録音されていた。
1977年リリース。
マザー・グースは金沢出身の女性3人組バンド。
この曲は彼女らのオリジナル曲で、一度、
前年発売のデビューアルバムに収められていたが、
それを山下達郎が編曲・プロデュースを手掛け、
シングル盤として新たに発売した。
当時まだマイナーな存在だった
(伝説の「シュガーベイブ」というバンドをやっていた)
山下達郎にとって初めてのプロデュース作だったらしい。
すごいのは山下をはじめとするバックの演奏陣で、
ティンパンアレイの林立夫、細野晴臣、鈴木茂、
そしてまだ無名のスタジオミュージシャンだった
坂本龍一など、日本のポップミュージックシーンを築いた
若き日のビッグネームたちがこぞって参加している。
「貿易風」とは聞き慣れない言葉だが、
横浜などの貿易港のイメージなのだろう。
改めて聴くと、女性がオトコ目線で歌う歌詞は
ユニークで楽しく、ちょっと不器用感があって、
そこがまたひどくみずみずしくて印象的だ。
世界で人気のジャパニーズ・シティポップは、
80年代の曲がメインだが、
そこまできらびやかでなく、
イマイチ洗練されきっていない、
70年代後半感が漂うサウンドは、とても気持ちいい。
ちなみにこの頃はシティポップも、
J-POPという言葉もなく、
やっと「ニューミュージック」という言葉が
広がり出したころだ。
いずれにしても、いつまでもみずみずしさを失わない、
不思議な魅力のある歌。
ジャパニーズ・シティポップの隠れた名曲として
より大勢の人が聴いて楽しんでくれるといいと思う。
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