歴史書改ざん?で女を締めだした日本史

 

昨夜の大河ドラマ「どうする家康」では、

家康の妻・瀬名(築山)の最期が描かれた。

 

ドラマが終わった後の一口情報コーナーで、

江戸時代に多くの歴史書が改ざんされたとの

アナウンスにびっくり。

 

どうも男社会になった江戸時代に権力に都合よく

それまでの歴史書が書き替えられ、

北条政子や築山殿など、

男を差し置いてまつりごとにしゃしゃり出た女どもは、

みんなとんでもない悪女だった———

ということにされ、

女は家で炊事・洗たく・子育てしててね、

ということになったらしい。

 

それにしてもNHKがそれを堂々と言うのか?

一生懸命歴史を研究してきた学者さんたちは

その研究・分析の材料である歴史書自体が

フェイクだったなんて言われたら

どうなっちゃうの?と心配になった。

 

「どうする家康」は史観を無視していると、

さんざんバッシングを食らっていて、

とくに築山に関しては、

家康がベタぼれで、まるで聖女あつかい。

あの戦国時代にユートピアを思い描いた夢子さん、

なんてネットでコテンパンに言われていた。

昨日の情報コーナーはそれに真っ向から

対抗するかのような解説がされ、

NHKドラマ制作部の気合を感じた。

 

僕は大河ドラマは、史実のプロット(すじがき)に沿って

創り上げるファンタジーだと思っているので、

今年の「家康」は大胆な新解釈を取り入れていて、

素晴らしい出来と思っている。

 

脚本も昨年の「鎌倉殿」以上によくできている。

歴史のミステリー部分を曖昧にまかさず、

ちゃんとオリジナリティのある説明をつけていて、

ファンタジーでありながら納得がいく話になっている。

 

江戸時代に改ざんされたのが本当なのか?

それがどの程度度なのかはわからないが、

少なくとも権力者の都合のいいように書かれてきたり、

ご機嫌を損ねないよう忖度して作らてきたのは

確かではないだろうか。

 

家康が妻子を処刑するという、

謎に満ちた築山事件についても、

このドラマで描かれた事情・感情のほうが

より真実に近いのでは、と思える。

また、そう思った方が楽しめる。

 

以前も書いたけど、この大河ドラマは、

家康はいい人だったから天下を取れたという

ホワイトファンタジーだ。

また、同時に戦国では

女が賢く、活躍したというドラマでもある。

 

築山事件を持ってきた前半の最終章は、

半年後にやってくる全体の最終章と対をなす

ドラマ構造になっている。

 

家康の最期の敵は、秀吉でも秀頼でもなく、

その母の淀殿である。

そして淀は、かつて家康が少年時代に

恋したお市の娘である。

その淀がラスボスとなって家康と闘うのがクライマックス。

 

まだドラマでお市は生きており、

淀(茶々)は子どもなので未発表だが、

この淀役はお市と母子2代の二役で

北川景子にほぼ確定——。

と僕が思い込んでいるだけだが、

もうすでに十分いに伏線が張られているので、

絶対やってくれるだろう。

 

その他、信長や秀吉の活躍と最期についても、

いろいろ新解釈が出てきそうで、

「どうする家康」の後半は本当に楽しみである。