日英カルチャークリエイターの児童性虐待問題

先週あたりからネット上で

社会学者の宮台真司氏が出演しているニュース解説番組や

中田敦彦氏のYouTube大学で、

故ジャニー喜多川氏の児童性虐待問題を取り上げている。

 

3月にイギリスのBBCがジャニー喜多川氏の問題に関する

ドキュメンタリー番組を制作・放送。

そして今月に入ってから元ジャニーズジュニアの

カウアン岡本氏が告発を行なったからだ。

 

最近まで週刊文春以外のメディアは

これについて一切取り上げなかったが、

先週末になってテレビでもぼちぼち少しずつ

報道されているらしい。

 

僕はそもそもどうしてBBCがそんな番組を作ったのか、

合点がいかず、イマイチ入り込めていなかったのだが、

中田氏の解説を聞いて疑問が解けた。

 

イギリスで国民的人気を誇り、

“サー”の称号を持っていたジミー・サヴィルという名司会者

(僕もイギリスに住んでいた時、テレビで見たことがある)が

2011年の死後、多数の少年少女に

性的虐待を行っていた事実が発覚したのだ。

もちろん、BBCもその犯罪者である

サヴィル氏の人気を利用して

40年あまりにわたって番組作りを行っていた。

その反省に立ち、サヴィル問題の経験が

ジャニー問題につながっていったのだろう。

https://www.bbc.com/japanese/35686505

 

中田氏の番組ではこの話から始まり、

ジャニー氏の履歴、ジャニーズ事務所の歴史、

そして、昭和世代にはおなじみ、

フォーリーブスの北公次氏以降、

何度も告発本が出されてきた歴史を細かく解説する。

 

さらに衝撃的なのが

日本の司法の性犯罪に対する甘さ、

特に少年・少女に対するずさんとも言える法の不備。

中田氏はこんな動画を公開するリスクを背負って解説している。

 

これまで日本ではたとえ疑わしくとも、

死者に鞭打つような行為は美徳に反するとされてきた。

それに芸能・芸術の分野では、ある程度、

こういうことはしかたないのではないか、

それおまた才能の一部・センスを磨く秘訣

と捉える向きがあったし、僕もそう思っていた。

 

でも、もう違う。

頭をアップデートする必要がある。

イギリスの事件に端を発して大きな問題に発展

(と言ってもネット上だけの話だが)しているが、

表向き「子どもを守ろう」「子どもが大切だ」

と言っている僕たちは、

子どもから搾取しようとするこの社会の舞台裏に

しっかり向き合うべき問題だと思う。

中田氏の動画を見てみてください。