週末の懐メロ番外編: The Other Side of Love/坂本龍一 ・ Sister M

 

ロンドンの日本食レストランで働いていた時、

一度だけ坂本龍一さんが昼食を取りに来たことがある。

この店は当時、BBCのスタジオの近くにあって、

ミュージシャンがよく来ていた。

80年代の日本のミュージシャンは、

ロンドンでレコーディングすることが多かったようだ。

 

1986年の後半か1987年。

季節は秋だったような気がする。

その頃、サブマネージャーをやっていて、

ちょうどマネージャーが公休の日だったので、

月曜だったことは確か。

 

午後1時過ぎで店はヒマだった。

男性ばかり三人で来たのだが、

他の人はミュージシャンっぽい雰囲気の人では

なかったので、

マネージャーとか、演奏者以外のスタッフだったと思う。

4人掛けのボックス席に座って

坂本さんは鮭の照り焼き定食を食べた。

 

ヒマだったこともあり、

スタッフの一人が坂本さんに

少々失礼なふるまいをしたので、

僕があわてて謝りに行った。

事は穏便に済み、帰る時にももう一度謝ったのだが、

「まぁ気にしないでください」と

ひとこと言われたのを憶えている。

 

それだけの話だが、その後、坂本龍一さんには

ずっと良い印象を抱いていた。

もちろん、彼の音楽も好きだった。

 

1997年のこの曲は

YMOの楽曲や「戦メリ」と並んで愛聴している。

Sister Mとは娘の坂本美雨さんのこと。

美雨さんの実質的なデビュー曲でもある。

坂本さんの楽曲はこれからも繰り返し聴くだろう。

ご冥福を祈ります。