♪きみとイチャイチャしてるところを見られちゃったわ
それをペチャクチャ言いふらされて わたしピンチ
という、ある意味、衝撃的な歌詞をロリ声で歌う
テクノポップというか、歌謡ロックが
1980年にヒットした。
当時、売れっ子だった近田春夫のバックバンドから独立した
ジューシィ・フルーツ。
「ジェニーはご機嫌ななめ」はそのデビュー曲・代表曲で、
近年、パフュームをはじめ、
いろんなミュージシャンにカバーされている。
プロデューサーは当の近田春夫で、
テクノポップ×アイドル歌謡の路線を狙って売り出したのが
見事に当たった。
当時の大人から「幼児化現象」などと揶揄された
ヴォーカル・イリアのロリ系ファルセット
(わざと地声より高い声で歌う唱法)と
明るく軽くチープなサウンドが、すごく新鮮で面白かった。
いま改めて聴いてみると、
チープさ・オモチャっぽさを際立たせるために、
すごくしっかりした演奏力を持っていたのがわかる。
特に間奏は、実力あるロックバンドを証明するカッコよさ。
イリアのギターソロもしびれるが、
それを支えるベースとドラムのノリがすごくいい。
この時代は、文学性・思想性をまとい過ぎて
重厚長大化してしまった60~70年代のロックに反発し、
初期のシンプルなロックンロールや
甘いポップスに回帰しようというムーブメントがあった。
「たかがロックンロール、たかがポップミュージック、
楽しけりゃいいじゃん」というノリ。
ジューシィ・フルーツがウケたのは
そんな背景もあると思うが、
やっぱ、良い曲は時を超えるという、
当たり前の結論にたどり着く。
オマケについている2曲目の「はじめての出来事」は、
70年代アイドル、花の中3トリオの一角、
桜田淳子のヒット曲のカバー。
わずか1分ちょっとの演奏だが、「ジェニー」同様、
ドライブ感、キレ感満点のロックアレンジがイカしている。
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