1971年リリース。
西城秀樹もライブで歌った
70年代ブリティッシュロックの大名曲。
黄金期のヒープは、レッド・ツェッペリン、
ディープ・パープル、
ブラック・サバスなどのヘヴィメタの大御所、
さらにはキング・クリムゾンやイエスをはじめとする
プログレ四天王と肩を並べる超人気バンドだった。
特に日本での人気がすさまじかったのは、
ツェッペリンの「天国への階段」を彷彿とさせる
この曲の印象が強烈だからだろう。
哀愁漂う叙情的バラードからハードなロック、
カオスなバトルへと展開する、
ドラマチックでカタルシス満点の構成美。
「七月の朝」は70年代ロックの偉大な遺産であるとともに、
半世紀たった今も現役で活動している
このバンドのアイデンティティでもある。
この70年代のライブの記録映像で
雄姿を見せているメンバーたち――
圧倒的な存在感のベースを弾きまくるゲーリー・セインは
この黄金期のライブの最中の感電事故がもとで75年に死亡。
美しく歌い上げたヴォーカルのデビッド・バイロンも
85年に死亡。
この曲の作詞・作曲者である
キーボードのケン・ヘンスレー、
さらにドラムのリー・カースレイクもすでにこの世を去り、
生存しているのはギタリストの
ミック・ボックスただひとり。
それでも人々はユーライア・ヒープが
ライブをやると聞けば、
「七月の朝」を聴くために集まってくる。
僕も毎年7月になれば、
やっぱり「七月の朝」を聴きたくなる。
もしできれば若い人たちにも
じっくり耳を傾けて聴いてほしい。
20世紀のロック/ポップミュージックは、
人類が共有し得る文化財産である。
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