週末は息子が遊びに来た。
正月以来である。
もうすぐ誕生日なので、一足早くお祝いをした。
「おまえ、日曜は母の日だけど、
かあちゃんに花ぐらい持ってこないの?」
と冗談めかして言ったら、テヘヘと笑っている。
今年で26になるが、
親にとって子どもはいつまでたっても子どもである。
いつものごとく本とか映画とか音楽とかネットとか、
しょーもない話ばかりしてたのだが、
なんとなく2日いっしょにいたら
カミさんともどもリフレッシュして元気になった。
不思議なもので、義母もなんだかご機嫌麗しくなって、
お散歩も楽しげだった。
若い奴はなかなか目に見えない力を持っているものだ。
母の日・父の日になるといつでも、
世の中の空気にそこはかとない気持ち悪さを感じる。
親が子どもを育てるのは当たり前である。
子どもが「育ててくれてありがとう」などと言って、
わざわざ感謝のプレゼントを贈る必要なんかあるのか、
と思う。
子どもに親への感謝を強制しているんじゃないの?
そんなことする権利が親にあるの?
むしろ成人して独立して、心配させるでもなく
元気にやっている子どもがいたら、
親はその子に感謝すべきじゃないか。
近年は、親の子に対する虐待、
子の年老いた親に対する復讐みたいな虐待、
そして、愛しすぎて子離れできない親とか、
おとなになった親子の問題が原因で、
メンタルに深刻な影響を与えるケースが増えている。
いっそのこと、母の日・父の日なんかやめてしまって、
自分の親子関係を考え、見直す日にしたらどうか。
その上で子どもが心から母・父に感謝したい、
何かプレゼントしたいと自発的に思えるなら贈ればいい。
世のなかの風潮に流されて、
なんとなく習慣化・形骸化している母の日・父の日に
「やらされている感」がある若い人は、
自分の今後の人生のためにも、
ぜひ一度考えてみてください。
子どもや家族のことを書いたエッセイ集。
息子がチビの時のことや、父親の戦争体験などの話も収録。
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