おそらく誰もが若い時代、
「視野を広げる」ということを意識したり、
年長の大人から言われたりすると思う。
たしかに振り返ってみると、自分の場合も
10代から20代にかけて様々な文化に出会い、
実際に海外をほっつき歩いたりもして、
劇的に視野は広がった。
しかし、ある程度のところまで行くとその広がりは止まる。
つぶさに見れば、以前ほど劇的にではないにせよ、
いろんな経験――たとえば結婚とか子育てとか――
をするとともに広がり続けてはいるのだが、
それまでに構築したものが大きすぎて自覚が薄い。
残念ながら、脳も体も
かつてのようなエキサイティングな変化に
ついていけなくなってるのだ。
こういう時は旅に出るといいということは
わかっているのだが、
家族もいるし、昔のように一人で自由な旅は出来ない。
それに予定調和の旅、
休息のための旅にはもうあまり興味がない。
ゆったり温泉・グルメ満喫旅行も、
天国みたいな南の島のバカンスも、
三日もやれば飽きてしまう。
そんな退屈なものはいらない。
欲しいのはもう一度、
自分の根っこを揺るがすような旅体験である。
たぶん可能なのは、忙しい日常の中でもできる、
脳内に臨場感を作る、
自分自身のためのバーチャルトリップを編み出すことである。
死ぬまで視野が広がり続ける旅ができるよう、
いろいろトライを続けて行きたい思う。
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