「おたく、家族を虐待していませんか?」
といって誰か訪ねて来るんじゃないかとドキドキしていた。
というのは1週間前、例によって義母が
朝っぱらからカエル病を発症し、
「家に帰りますから!」と言って駄々をこねたのである。
ちょうど僕が留守で、カミさんが一人で対応。
玄関のところでドタバタやっているところへ
郵便屋さんが書留を持って来たらしい。
そしたら義母が
「あたし家に帰ります、帰りたいんですよ」と、
その郵便屋さんに向かって必死で訴えた。
彼は仕事が済むと、苦笑いを浮かべてそそくさと帰り、
カミさんはなんとかなだめて義母を部屋の中に止めた。
(そのあたりで僕が帰って来た)
その話を聞いて、こりゃ意識の高い人だったら、
年寄りの虐待を疑って通報するかもな、と思った。
まぁもう1週間以上経って何事もないので、
あの郵便屋さんはシカトしたのだろう。
社会的にはどうなんだろう?
放っておくほうがいいのか、
それとも念のために
「あの家、虐待ヤバイかも、ですよ」と
こっそり通報しておいた方がいいのか?
認知症の人の何割かは、義母と同様、
僕たちの日常、僕たちの社会とは
ちょっとズレた(人によってはかなり外れた)時間を生き、
それぞれの世界とストーリーを持っている。
これから認知症の人が急増するという説もあるけど、
そうなった時、どう対処すればいいのかは難問だ。
おとなも楽しい少年少女小説
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認知症になった寅平じいさんの人生最後のミッション。それは最強の妖怪「むりかべ」に立ち向かうざしきわらしのきょうだいを得意の歌で応援することだった。笑ってちょっと不思議な気持ちになる、妖怪幻想譚。
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