かつて「音楽で世界は変えられる。ラブ&ピース」という
ノー天気なメッセージを、
世界の多くの若者がノー天気に信じていた時代があった。
本当にお気楽な時代だったんだと思う。
でも今、もう一度、あれを信じてみたい思いに駆られる。
本当に気が重くなる。
うちのカミさんなどは最近、
ロシアとウクライナの戦争のニュースが
テレビで流れると「見たくない」と言って
チャンネルを換えてしまう。
彼女は昔、某商社の貿易事務のロシア部門で
働いていたので、
ロシアやウクライナの地名や都市名に
若干ながら親しみがある。
直接的なつながりがなくても
やっぱり嫌な気持ちになるのだろう。
それでもやっぱりまったく目を瞑るわけにはいかない。
破壊された街や難民、
何人が犠牲になったといった報道を見るのは
本当にたまらない。
でも、きっと僕たちがこんなにひどい気分になるのは、
第2次世界大戦以降、音楽をはじめ、
さまざまな文化を通して、
いろんな人たちが戦争の悲惨さを訴えてきたからだと思う。
戦争はアカンと叫んできたからだと思う。
戦争が人間を、いかにおぞましくて
醜い生き物に変えてしまうかを知らせてきたからだと思う。
だから僕たちは戦火に包まれた
ウクライナのニュースを見て戦慄を覚える。
経済がめちゃくちゃになったロシアの混乱を見て
やるせなさを覚える。
憎しみが新たな憎しみを生んでいくのを想像して
悲しくなる。
ほとんどのビジネス、旅行、娯楽は
平和だからこそ成り立つものであることを痛感する。
そうした知性と感性を持った人間は、
きっと第2次世界大戦時よりは
世界にずっと増えているはずだ。
「ラブ&ピース」と歌っても世界は変わらない。
けれども全く無力かというと、そうでもない。
あきらめずに繰り返すことで確実に人の心は変わっていく。
そう信じたいな。
でないと、この世界で生きてる価値がないよ、とも思う。
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