あなたもごはんでできている」 無料キャンペーン 本日限り

おりべまことエッセイ集:食べる②
あなたもごはんでできている
無料キャンペーン実施中:3月6日(日)16:59まで

今日も元気だ、ごはんがうまい!

と言える生活ができていることに感謝。

今日も明日も世界が平和で、

みんなが楽しくごはんを食べられますように。

 

もくじ

・誰が死んでも食休み

・原宿・穏田のお米マイスター

・「鳥のように自由に」と八十歳になって語れるか?

・食べ物を扱うのは神聖な仕事なんだ

・新潟のビジネスホテルで魚沼コシヒカリを食べて幸福について考える

・にいがたラーメンVSタレカツ丼

・名古屋コーチンをめぐる冒険:ふしぎ・まったり小牧編

・楽しさ・学び・癒し満載の八王子・磯沼牧場

・東京唯一のブランド和牛・秋川牛と、むかしみらいTOKYO

・カフカのワイン

・長野・伊那谷で昆虫を食べる

・豊橋ウズラはキャラ弁の名優

・茨城県の納豆―カレーーアニメ―あんこう―ライブの螺旋現象

・歴人めし

・武田信玄の陣中食ほうとうは清少納言が愛した「はうたう」

・坂本龍馬の最後の晩餐は本当に軍鶏鍋だったのか?

・うなぎ屋のロイヤルカスタマー平賀源内・一行千両の大発明

・ブタめし大好き 最後の将軍・徳川慶喜

・高杉晋作が愛した妻と鯛の押ずしと潮汁

・篤姫のお貝煮と「御殿女中」

・徳川家康提唱「日本人の基本食は麦飯と味噌」

・山内一豊の生食禁止令から生まれた?「カツオのたたき」

・スイーツ大好き織田信長の「信長巻き」

・日本のトマト革命

・群馬・横川のひもかわうどん

・アザラシの入江でヤギの乳を搾ってチーズを作る娘について

・サンマの未来はどうなるのか?

・葬儀屋さんの黒にんにく

・ヴェジ中心食研究への挑戦

・人類を進歩させたのは「やばい食べ物」

・とりあえずロックダウンに備えて備蓄

・杉並グルメ テイクアウトOK店取材

・夏みかんのお菓子「夏柑糖」

・富士山と富む水の「ベリーの森」

・オバマのタカハシさんちの娘は人魚の肉を喰った

・「みんなが作ってる カエルのから揚げレシピ」の衝撃

・なぜ日本にカエル食が定着しなかったのか?

・日本のごはんがおいしいシンプルな理由

 

●立ち読みコーナー

食べ物を扱うのは神聖な仕事なんだ

 

「東京しゃも」の記事がUPされたので、先日、浅野養鶏場の浅野さんに報告したら丁寧なメールの返信が返ってきました。

「自分のする話は難しいといつも言われるが、見事にまとめてくれました」と喜んでいただいたので、こちらも嬉しくなりました。」

開発技術者や、江戸時代からしゃも料理を扱ってきた人形町の名店とともに東京しゃも開発プロジェクトに携わったエピソードはめっぽう面白い。

しかしそれ以上に、戦後の混乱期・食糧難の時代から身を起こし、半世紀以上にわたって養鶏業を営んできた浅野さんの、食べ物に対する信念・哲学が魅力的なのだ。

また、昨日はある料理人の書いた本を読んで、けっこう心に染み入るものがあった。

料理の話というよりも、自分の半生記みたいになっているエッセイで、さらっと口ごたえがいい割に、何というか、隠し味が効いていて面白いし、深味があるのです。

料理の味やお店のコンセプト・ムードと、その人の人間性がどうかなんて、まるで関係ないように思えるけど、じつは深いところでつながっている。

総じて一流の料理人・生産者は、自分ならではの哲学を持っていると思う。

哲学という言い方が難しければ、「生きる」ことについて感じること・考えることを何らかの形で表現を試みる――とでもいえばいいだろうか。

それが生産物・料理・お店全体の在り方に反映される。

優れた技術に、その人ならではの魂が宿ることによって、人の心を打つ「食」が生まれる。

浅野さんの「食べ物を扱うのは神聖な仕事なんだ」という言葉が耳に残る。

 

機械的に、早く、安く、美味しく、安全な食べ物がたくさん出回るようになった世の中だからこそ、時々はそうした生産者や料理人や作る人たちの人間性だとか、哲学だとかに目を向けて行こうと思う。