1966年リリース。
僕が中学生の頃(1970年代半ば)、
みんなが好きな洋楽と言えば、
ビートルズ、カーペンターズ、ミッシェル・ポルナレフ、
そして、サイモンとガーファンクルだった。
代表曲「明日に架ける橋」をはじめ、
「サウンド・オブ・サイエンス」「スカボロフェア」
「コンドルは飛んで行く」など、
ビートルズに匹敵する名曲・影響力のある曲の数々を
世に送り出したS&Gだが、フォークのイメージが強くて、
かの時代の中二病に掛かっていたロック小僧たちからは
軟派音楽として軽んじられていた。
そんなわけでやはりロック小僧だった僕も、
「サイモンとガーファンクルっていいね」とは
なかなか言えなかったのだが、
彼らのロックっぽい曲の中でも最大のヒットとなった
この「冬の散歩道」だけは別格。
特に切れ味鋭く、スパッとカットアウトする
エンディングは、めっちゃカッコよくて、
ロック小僧の皆さんもシビれていた。
解放的に明るく、青春を謳歌する
春夏モードの楽曲と対照的に、
秋冬モードの楽曲は舞い落ちる落ち葉や雪に
哀しみや寂しさの感情を乗せた叙情的なものが多い。
しかし、そこをキリっとした緊張感のある曲調で、
寒くてグレイな風景を描きながら
哲学的な歌詞を載せたこの歌は
やはり特別の味わいがある。
今もって、これに追随するような
ポップミュージックは数少ない。
ただ邦題の「散歩道」というタイトルが、
曲のイメージと相反するのんびりムードを
醸し出しているところが
ちょっと残念かな。
憶えやすくはあるんだけど。
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