原曲はもちろんビートルズの「イエローサブマリン」。
レノン=マッカートニーの作詞・作曲で、
リンゴ・スターがトボけた歌を聴かせていた。
ノイジーな効果音とブラスバンドの音が楽しく賑やかで、
ビートルズナンバーの中でも異彩を放つ、
面白メルヘンソング。
当時(1966年)のロック・ポップスの常識から外れた、
実験的で、いわば、プログレッシブロックの源流うぃ
創った楽曲の一つでもある。
そのイエローサブマリンを音頭にして歌ったのが、
民謡の女王・金沢明子。
そして、その背後にいたのは、
日本のシティポップの王・大滝詠一だ。
大滝詠一プロデュースで1982年にリリースされたこの曲に、
作者であるポール・マッカートニーも
ぶっ飛んで笑いころげたという伝説も伝えられている。
訳詞は大滝の盟友、そして日本の作詞王でもある松本隆。
原曲のストーリーを大切に、
日本語でここまで愉快なファンタジックワールドを
構築してしまうのだから、舌を巻く。
それを歌い上げる金沢明子のコブシ回しも最高だ。
そして編曲の萩原哲生(てっしょう)は、
「スーダラ節」をはじめ、
クレージーキャッツの数々のコミックソングを産み落とした
昭和のレジェンド。
これは彼が晩年に手掛け、ほぼ最後の名作となった。
つまりこの「イエローサブマリン音頭」は、
ビートルズ×はっぴいえんど(大滝・松本)×
クレージーキャッツ×日本民謡の
超絶コラボレーションなのだ。
今年もコロナで、日本のいたるところで
夏祭り・秋祭りが中止になってしまった。
ちょっとでいいから黄色い潜水艦に乗り込んで、
笑ってお祭り気分を楽しもう。
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全33編 収録
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