2021年も早や半分が過ぎようとしている。
人間はいまだコロナ禍に苦しめられているが、
野鳥天国・善福寺川では、
鳥たちの子育てがうまくいっている。
今年はオオタカも3羽のヒナが無事成長。
この3きょうだいがもう中高生レベルに達し、
超音波怪獣クラスの鳴き声を上げながら、
川沿いのヒマラヤ杉近辺を飛び回っている。
と思ったら、今日はすごいシーンに出くわした。
杉の下にある低い梅の木の枝に止まって
ごはんを食っているのだ。
ごはんになられたのは、どうやらムクドリさんらしい。
これまでオオタカがいることは知っていたが、
ほとんど姿を見たことはなかった。
杉の木のてっぺんあたりの木陰から
小さくかすかに見えたのが2~3度きり。
肉眼では無理だなと思っていたが、
きょうは10メートルもない距離でばっちり、
それも食事シーンが見られるとは。
ちなみにこの林の周辺は、
オオタカにストレスを与えないように、
という配慮でロープが張られ、
それ以上近くには寄れないようになっている。
カメラマンの人たちもそのへんはわきまえ、
きちんとそれを守っている。
おらがアイドルを見守るファンのようだ。
撮影したが、さすがにスマホのズームではこれが限界なので、
望遠レンズで撮影している人のモニターを
覗かせてもらった。
子どもとは言え、迫力満点。
目は鋭く美しく、猛禽の凛々しさを備えている。
ただ、まだガキンチョなので食べ方が下手。
くちばしできれいに羽根をむしるのはいいが、
いざつつき出すと
ときどき肉を地面に落っことす。
落っことしたのは地面に降りて
また熱心に、丁寧にくちばしと足を使って食べる。
他のきょうだいに盗られまいとしているそうだ。
このごはんは自分で取ったものでなく、
親から与えられたものを食べているらしい。
まだ狩りはできない
すねかじりの王子さまだ。
狩りはできないけど、
攻撃力は日に日に増しているらしい。
1ヵ月ちょっと前、杉の木のてっぺん近くにある巣に
数羽のカラスが波状攻撃をかけているところを見た。
どうやら生まれた頃の彼らを狙っていたらしく、
大丈夫だろうか? と心配していた。
しかし、カルガモ8きょうだいと同じく、
ここも夫婦で子育てをしていて、
しっかり守り抜いたようだ。
あれから1ヵ月あまり、
この中高生レベルの王子様たち
(王女様もいるかもしれない)は
今や大胆にも十数羽の群れに向かって
猛スピードで突っ込み、
カラスたちを蹴散らしているという目撃談まである。
たんに遊んでいるのか、
チビの時に襲われたことのお礼参りか、
「おれはタカだ」というアイデンティティの確認か、
いずれにしても体格的にそう違わないカラス軍団に
果敢にケンカを仕掛けるとは、
驚くべきワイルドボーイぶり、成長ぶりだ。
オオタカがここで暮らし始めて、
もう5年くらい経つと思うが、
さすがに人に慣れてきて、
人間は危害を加えないということを知ったようだ。
ごはんにされてしまうムクドリさんなどには気の毒だが、
動物園でもこんなシーンにはめったにお目に掛かれない。
ワイルドボーイ・オオタカのアイドル度は
ぐんぐんUPしている。
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猛禽はちょっと怖いイタチ(フェレット)もお話。
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