雨の季節になると思い出さずにはいられない、
小林麻美、1984年の大ヒット曲。
邦題と日本語訳詞を手掛け、
プロデューサー的な役割を果たしたのは松任谷由実。
ディスコブームの1980年代、
陽気でイケイケなアメリカとはひと味違う
ユーロ系ディスコが台頭し流行したが、
中でもメロディアスでメランコリックな旋律を
ダンスのリズムに乗せた
イタリア産の「イタロディスコ」はユニークで人気を博した。
そのイタロディスコの立役者のひとりが
パウロ・マッツォリーニ。
この原曲「I Like Chopin」を歌ったガゼボだった。
ガゼボは自作でありながら
この日本語バージョンに魅了され、
「これは彼女(小林)の歌だ」と言ったという。
アレンジも打ち込み音とオーガニックなイメージの
バランスが素晴らしく、
原曲のようなディスコっぽさをあまり感じさせない
とても繊細で丁寧な音作りをしている。
「別れたあの人はショパンが好きだった」という、
内容的にはありがちな失恋ソングなのだが、
ユーミンマジックと小林麻美の魔性の歌唱によって
神秘度・エロス度MAXの名曲に昇華した。
クールでメランコリックでダンサブル。
8分間のクラブミックスバージョンで展開する
小林麻美の脳内フル女神イリュージョン。
このイリュージョンであなたも僕も
10年長く生きられる。
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