6月と言えばジューンブライド。
というのはヨーロッパの話で、
日本は6月と言えばカエルである。
お米の国・日本では田んぼの妖精みたいなカエルは
人気者だ。
ケロケロ鳴いて
恵の雨を降らせてくれると信じられていた。
人気者どころか豊作の神様みたいなものである。
食糧が豊富になった現代はそんなありがたみも薄れ、
雨もカエルが呼んでくるような情緒あるものでなく、
災害の恐怖を伴う集中豪雨。
しかし、時代は変わってもカエルはかわいがられる。
幼稚園とか学校とか、子どもびいるところは
かわいいイラストとか折り紙のカエルだらけ。
昨日、スーパーに行ったら季節感を出すために
ここにも蓮の葉の傘を差したカエルがいっぱいいた。
そこでつい売り場のお姉さんに
「こちらのお店ではカエルの肉は売ってないですか?」
と聞こうとしたが、抑えた。
嫌がらせに来たのかと思われても嫌なので。
なんでそんなことを聞こうと思ったのかと言うと、
だいぶ昔のことだが、
名古屋にある浜木綿(はまゆう)という
中華料理のチェーン店のメニューに
カエルのから揚げがあって、
それがけっこうおいしかったことを
思い出したからだ。
帰省するたびに家族で食べに行っていた。
まだ父が生きていた頃だから
もう12年以上前のことである。
今はもうメニューにないが、
中華料理では普通にカエルを食べる。
タイとかベトナムなどの東南アジアでもあるし、
ヨーロッパではフランス料理の
重要な素材になっている。
今の日本ではどうなのだろうと
ネット検索してみたら、
「みんなが作ってる カエルのから揚げレシピ」
というタイトルを見つけた。
なんとクックパッドに載っている。
レシピの生い立ちには
「田んぼ道でふと見かけて、
捕まえられたので作りました」とあり、
ちゃんと写真付きで作り方が書いてある。
脚だけかと思ったら、
なんと丸ごと姿揚げなので、
ちょっとびっくりした。
ただ、当然というか、
他に作って食べてみましたという
「たべレポ」は見当たらなかった。
そこでまた考えた。
どうして中華やフランスには
カエル料理があるのに、
日本料理にはないのだろう?
どうしてゲテモノ扱いなのだろう? と。
実は明治期から昭和の戦時期にかけて
日本でもカエルを食べようという施策が
国家プロジェクト波のスケールで進んでいた。
東京都文京区の実験田をはじめ、
鎌倉や横浜に大規模な養蛙(ようあ)場も
儲けられていたのである。
というわけでこの話の続きはまた明日。
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