「週末の懐メロ」を書くようになってから音楽熱が再燃した。
と言っても、音楽的才能はゼロなので、
もっぱら聴く方専門。
だけど本当に音楽には恵まれた時代に育ったんだなぁと
最近しみじみ思っている。
そんな中、「メモリアルギター」というものにハートを射られた。
これは大阪で195年の歴史(なんと江戸時代から!)
を持つという超老舗楽器店「三木楽器」が
開発した「燃えるギター」である。
いわゆるビートルズ世代も70 代に入り、
エンディングについて考えるようになっている。
「三木楽器」はそんな世代の、
楽器や音楽を愛した人たちへのお見送りオブジェとして
この「燃えるギター」をプロデュースした。
「燃えるギター」と言えばジミヘンだが、
これはレッド・ツェッペリン(ジミー・ペイジ)の
「天国への階段」が似合う。
弾くのではなく、棺に入れ、
天国へ持っていくためのギターなのである。
本物の楽器は金属を使っているので納棺できない。
火葬炉で燃えるギター にするためには、
すべて可燃性の素材で作る必要がある。
そこで企画・開発担当の櫻井裕子さんは、
全国の木工品メーカーに打診を繰り返した。
徹底的なこだわりがあったので、
何となくギターの形をしてりゃいいや、では納得できない。
形状の複雑さやコスト面でなかなか話が
折り合わず難航したが、
ようやく愛知県の木製玩具を製造する工房の協力を得られた。
その一方で斎場なに聞き取り調査を行い、
ご遺体とともに確実に燃え尽きることが前提であること
を確認し、小型化を検討した。
葬儀で祭壇に飾ったときに玩具っぽく映らないよう
見た目とのバランスをとりつつ完成させた。
まさしく職人技。
櫻井さんもついに思い描いた商品の形に
たどり着いた時は涙した。
もちろん、量産などできないので、一つ一つ手作りだ。
すべて木材で出来ているため、
セレモニーの際に納棺する楽器の副葬品としても、
また祭壇やお仏壇へのお供え物としても贈れる。
大きさは本物ギターの約 1/2 スケールで、
納棺に適したサイズに設計されている。
タイプはアコギと、エレキギターのレスポール型、
ストラトキャスター型の計3種類。
演奏用ではないものの、本物感を重視し、
細部まで丁寧に再現されているところは泣かせる。
開発コンセプト、そして
商品化するまでのこだわり・執念にも胸を打たれ、
レギュラーワークの月刊仏事
(葬儀供養業界の業界誌)で紹介した。
今日のブログはその記事をアレンジしたものである。
どうせあの世に行くなら、大好きな音楽・愛する楽器とともに――
とお考えの皆さんは、ぜひ三木楽器のサイトを覗いてみてください。
メモリアルギターの開発ストーリー
https://youtu.be/gh08NdcJ1sE
販売サイト
https://mikiwood.base.ec/
おりべまこと電子書籍
ポップミュージックをこよなく愛した
僕らの時代の妄想力
http://www.amazon.com/dp/B08SKGH8BV
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