幸運の女神」と題された1995年リリースの歌。
明るさと切なさの入り混じった印象的なメロディーを
リズミカルに、独特のハスキーヴォイスで歌っていく
ロッド・スチュワートの佳作だ。
この曲はフジテレビで放送されていた
「沙粧妙子 最後の事件」の
エンディングテーマだった。
主演の浅野温子、佐野史郎、升毅をはじめ、
当時のスター級俳優やアイドルたちが顔をそろえた
とんでもなくヘヴィで陰惨でオカルト風味満載の
心理サスペンスドラマ。
ベストセラーになり、プロファイリングという言葉を広めた
ノンフィクション「FBI心理捜査官」や
サイコスリラーの原点となった
映画「羊たちの沈黙」の影響は明らかで、
毎回おそるべき異常でミステリアスな殺人事件が起きていた。
夜9時というゴールデンタイムに公共の電波で
よくあんなとんでもない話をやっていたものだ。
思うにあの1990年代、
多くの人が、人の心の奥に計り知れない闇があることを発見し、
そこに鬼とか悪魔が生息することを認識し、
それを覗き見ることに興奮と快感を覚えてしまったのだろう。
僕はその一人である。
あの頃、異常だの狂気だのと騒がれたような事件や事象は、
いまや日常茶飯事的に起こっている。
人間と社会の、一つの進化だったのかも知れないと思う。
いずれにしても「沙粧妙子 最後の事件」は
めちゃくちゃ面白かった。
毎回、次はどうなるんだろうと盛り上がったところで
この歌が入ってきてエンディングとなる。
ドラマの濃厚な後味をクリーンにしてくれる
スチュワートの、軽くカマしているような、心地よい歌声。
何度聴いてもナイスだ。
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ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力
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ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。ブログより33編を厳選・リライト。
もくじ
●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える
●アーティストたちの前に扉が開いていた
●21世紀のビートルズ伝説
●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか
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