今年も4月になったので、村上春樹の
「4月のある晴れた朝に100パーセントの
女の子に出会うことについて」を読んだ。
別にルーティン化しているわけではないのだが、
つい決まりごとのようにページを開いてしまう。
クリスマスにクリスマスケーキを食べたり、
お正月にお餅を食べるのと同じである。
いまや老練な大作家になった村上春樹氏だが、
この短編の文章には、そのみずみずしい萌芽が詰まっている。
懐かしさよりも新鮮さ。
何度読んでも、そのたびにいろいろな感情が
湧き水のようになって体を巡る。
この物語はちょうど40年前、
1981年の4月という設定になっている。
1981年の4月、僕は練馬区の江古田駅近くの
4畳半に住んで、自分の劇団のための芝居を書いていた。
何もなくて、まったく自由で、毎日楽しかった。
ただ、100%の女の子はいなかった。
そこでふと考えたのが、今のカミさんは
僕にとって100%の女の子だろうか? ということである。
昔はそんなこと考えもしなかったけど、
今、振り返るとそうだったのかも・・・と思える。
そうだったことにしようとしているのかもしれない。
みんな「成功」というものに憧れているけど、
良い恋愛、良い結婚、好きな仕事をしていれば、
それで人生は成功、100%である。
それ以上のことはみんなオマケだ。
オマケをたくさんつけようと追いかけて、
本体を台無しにしたら0%になってしまう。
4月はまだ始まったばかりなので、
ほかにも感じるところを言語化できれば書こうと思う。
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