あまりにシンプルで、あまりに日常的な
「イエス」という言葉を新たな世界観で捉え、
芸術の次元まで昇華させたのは、
オノ・ヨーコの神業だった。
ジョン・レノンの魂を鷲掴みにした
あの有名なエピソードを、
ビートルズの曲が大好きだという
このバンドのメンバーが知らなかったわけがない。
彼らがどの程度、意識したかは知らないが、
「イエス」というたった3文字のバンド名と、
ヴォーカルのジョン・アンダーソンが紡ぎ出す
哲学的な世界観の音楽は、
オノ=レノンが目指したものと相通じている。
プラスティック・オノバンドに参加していた
ドラマーのアラン・ホワイトが途中から加入したのも
何かの縁かもしれない。
プログレッシブロックは狂
気や闇の世界を描く楽曲が多いが、
イエスが描き上げるのは光の世界--
あくまで肯定的な「イエス・ワールド」だ。
この世の森羅万象を自分の一部として受け入れる姿勢。
1972年リリースのアルバム「危機(Close Edge)」を
初めて聴いたのは中学3年のときだったが、
以来、イエスの音楽は、つねに僕の脳内にある
“もう一つの地球”の浄化装置として稼働し続けている。
オーケストラと共演した2001年のライブ。
「危機」の中の一曲、「同志(And You AND I)は
彼らの音楽性が最も優美に結実した佳曲。
歌詞は文学的な言葉遣いだが、
曲名通り「あなたとわたし」のラブソングとして、
おおらかな音の波に身をゆだねて楽しむことができる。
おりべまこと電子書籍
ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力
ASIN: B08SKGH8BV ¥311
ビートルズをきっかけにロックが劇的に進化し、ポップミュージックが世界を覆った時代.僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、音楽エッセイ集。
ブログより33編を厳選・リライト。
もくじ
●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える
●アーティストたちの前に扉が開いていた
●21世紀のビートルズ伝説
●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について ほか
●アクセス
https://www.amazon.co.jp/ から上記コードナンバー、
または「おりべまこと」、または書籍名を入れてアクセス。
●スマホやタブレットで読める:Kindle無料アプリ
https://www.amazon.co.jp/gp/digital/fiona/kcp-landing-page
●Kindle unlimited 1ヶ月¥980で読み放題
https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/hz/subscribe/ku?shoppingPortalEnabled=true&shoppingPortalEnabled=true
コメントをお書きください