鏡開きも終わって、家の中からも世の中からも
正月ムードが消えた、と思っていたら、
3通も年賀状が届いた。
「前の住所に送ってしまったので返ってきた」
という人が今年は何人もいた。
今日来た3人も1人はそう言っている。
おそらく後のふたりも同じだろう。
一昨年の夏に引っ越したが、
横着して喪中ハガキと新住所のお知らせを兼ねて
送ったのがよくなかったか。
前年と少し遡ってチェックして、
知らせるべき人には知らせておいたはずだけど・・・。
齢を取ってくると、どこでも家族が亡くなったりして、
喪中で年賀状をお休みすることが増える。
そうすると、その年来なかった人には出さなくなる。
いや、自分にとって大事な人ならちゃんとチェックするが、
そうでなければ忘れてしまうのだ。
あるいは何年も会っておらず、仕事でも繋がりがなくなり、
心も通わない、それこそ形だけの付き合いの相手なら
「ま、もういいか」とスルーしてしまう。
こうして年々年賀状のやり取りが減っていき、
今ではいちばん多かった時期の半分以下になっている。
もともと年が明けてから仕事ですぐ会う人には出さなかったし、
最近はメールやSNSで「おめでとう」と
挨拶を交わす人も増えている。
虚礼廃止、形骸化した慣習をやめるべしと
自ら唱えることもあった。
必然的な結果なのだろう。
でも、だからこそ却って、いまだに年賀状をやり取りする人には
大事にせなあかんなという思いを抱く。
仕事関係はごくわずか。
家族・兄弟が少々。
あとは昔の演劇関係の仲間がいちばん多く、
一緒にバイトをやってた職場の友だち、
一緒に仕事をやった仲間たち。
そして小中の同級生。
中には何年どころか、何十年もあってない人もいる。
一度、途切れたけど、なぜかまたやり取りが復活した人もいる。
そして毎年やり取りしていた相手から来ないと、
ちょっと心配になる。
今年はそれが6人いた。
そのうち3人は今日来たのでひと安心だが、あとの3人は・・・。
なんかあったのか?
まさかコロナで死んだりしてないか?
昨年の年賀状のコマーシャルで
「あの人の人生に、わたし、まだいた」だったっけ?
うろおぼえだけど、そんなコピーがあった。
かつてはめんどくさいので書きたくない、と思っていたけど、
今はわりかし大切に思える。
気づいたのはやり取りしている人のほとんどが、
損得勘定の欄外にいる人たちということだ。
結局はそういう関係がいつまでも残る。
そのうち日本郵便の回し者として、
「日本の年賀状文化を守れ!」と言い出し、
運動を起こすかもしれない。
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もくじ
●八王子・冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える
●アーティストたちの前に扉が開いていた
●21世紀のビートルズ伝説
●藤圭子と宇多田ヒカルの歌う力の遺伝子について
●ヘイ・ジュード:ジョンとポールの別れの歌 ほか
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