1988年にデビューして、たった1枚のアルバム
「The First Kiss of a Million Kisses(邦題:ファースト・キッス)を遺して消え去ったスコットランド出身のバンド、
フェアーグランド・アトラクション。
彼らの音楽は1930~50年代のスウィングジャズや
古いアメリカやイギリスのフォークソングのエッセンスを
たっぷり取り入れた、当時からすでに懐メロ。
それでありながら超斬新で、たまらない切れ味があって
僕はしびれまくっていた。
「パーフェクト」という曲が大ヒットしたが、
いちばん好きだったのは、この「クレア」。
歌い手のエディ・リーダーと、クラリネットおじさんとの
丁々発止のやり取りが楽しくてイカしてる。
ちなみに「フェアーグランド・アトラクション」とは
移動遊園地のこと。
僕が過ごした1980年代のロンドンでは、
中心にある繁華街のレスタースクエア
(東京で言えば新宿みたいなところ)に、
ある夜、ピカピカ光を放つ遊園地が忽然と現れ、
子どもよりも、むしろ大人が嬌声を上げて
アトラクションを楽しんでいた。
安っぽくロマンチックで、懐かしいぬくもりがあって、
ちょっと退廃的な香りも混じる
大人のメルヘン、ファンタジー。
フェアーグランド・アトラクションの音楽には
そんなテイストがある。
たった1枚のアルバムは永遠の遊園地となって
21世紀もピカピカ光り続けている。
1月11日(月) 発売決定
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「ポップミュージックをこよなく愛した
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僕たちのイマジネーションは 音楽からどれだけの影響を受け、どんな変態を遂げたのか。
心の財産となったあの時代の夢と歌を考察する、おりべまことの音楽エッセイ集。
ブログ「DAIHON屋のネタ帳」より33編を厳選・リライト。
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♪冨士森公園のスローバラード駐車場で、ポップミュージックをこよなく愛した僕らの時代の妄想力について考える ほか
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