「このキャラクターはなんて名前なの?」
「あ、アース君です」
「へー、これ鳥? 一見、恐竜みたいに見えるよね?」
「あー、そういわれれば」
「もしかして、杉並区だからなみすけを意識した?」
「かもしれません」
「この横っちょにいるティンカーベルみたいなやつは?」
「これはキラリといいます」
「ああ、そうか。もしやピーターパンも意識してるのかな。
そういや、なみすけもピーターパンもこの子もグリーンだね。
青色申告じゃなくて、みどり申告だな」
「そうですね~」
※註:なみすけとは杉並区のキャラクターで、背中に体温調節をする帆をつけている恐竜である。ナミーというかわいい妹と、ナミキおじさんというジャズミュージシャンをほうふつとさせるダンディな叔父さんがいる。気になる人は「なみすけ」や「杉並区」で検索してみてください。
今年から青色申告にしたので、
阿佐ヶ谷にある事務所まで相談に行った。
いろいろ書類を書いたり、PCに計算用ソフトを
インストールしてもらったりする間、上記のような会話になった。
こういう会話ができるのは、相手が若い女性だからである。
さすがに僕も相手がおっさんだったら、こんな会話はしない。
もちろん人によるが、おっさんは直球一本やりである。
年配の女性も対応率は悪い。
やっぱりこういう変化球やボール球を投げても、
バット振り回して楽しんで付き合ってくれるのは、
若い女性、ときどき若い男である。
ぐにゃぐにゃ曲がる変化球や、とんでもないボール球は
仕事にメリハリをつけ、人生をリズミカルにする効果がある。
仕事も人生も緩急をつけることが大切だ。
しかし齢を取るとともに、生産性を追求し、
真面目一本やり、直球のストライクしか受け付けなくなる。
リズムが悪いと楽しくないし、疲れてストレスがたまる。
今日一日、彼女は楽しく仕事ができるだろう。
あー、いいことをした。
――というのは僕の自己満足で、
帰った後、「なんだよ、あいつー」と、
さんざん悪口を言われているかも知れない。
けど、アース君とキラリちゃんに免じて許してケロ。
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