善福寺川で暮らしているカルガモさんたちは皆、
秋が深まるとともに脂がのってきた。
まさしく天高く、カモ肥ゆる秋である。
ガァガァ。
ジビエグルメの方によると、
マガモよりは味が落ちるものの、
なかなかの美味だそうである。
やはりネギと煮て鴨鍋だろうか。
寒い冬はごちそうである。
けど、このあたりでは取って食うわけにはいかない。
しかし、そのカモたちを毎日、
虎視眈々と狙っている肉食系女子がいる。
わが友クロネコちゃんである。
どこへ行ったのか探すと、最近は
たいてい川べりに降りて茂みの中に隠れたり、
ウロウロ歩き回ったりしている。
なんだか狩りの練習をしている
トラやライオンの子どもみたいである。
彼女はふだん、美しい尻尾をくねらせて
フェロモン発散しながら、
人間にゴロゴロすり寄って
おなかを見せてなで回してもらっている、
けっこうお色気満点のお姫様だ。
それなのに野性味に富んでいて、
この辺の人の情報によると、
小鳥やネズミなど捕まえて食べているという。
かと思うと狩りがうまくいかなかったのか、
ネコ使いのおばさんが他のネコたちに
餌をあげていたりすると、自分もちゃっかりもらいにくる。
人間は自分を愛してくれていることをちゃんと知っていて、
このあたりの野良猫のなかではいちばん堂々としている。
でもボスという感じではなく、あくまで気ままに生きているのだ。
なかなかしたたかで自由なブラックプリンセスななのである。
しかし、ヒナならともかく、自分と同じくらいの体格の
おとなのカモなんて狩れるのだろうか?
かなりリスキーではないかと思うが、
野生の声に突き上げられて、
いつか脂ののったカモを食う夢を見ている。
それこそが彼女のニャン生の目標なのだろう。
カルガモもクロネコもどちらも愛でる僕としては、
なかなか複雑な心境である。
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