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●魚のいない水族館 

~かなわなかった夢はいつかリベンジできる~

 

息子が小学校に入った頃なので、かれこれ17年前。

水族館のお泊りツアー、つまりナイトツアーが始まった。

へえ、こりゃ面白そうだ、ぜひ息子と参加しようと思ったが、

誰でもOKというわけではない。

 

人数制限があり、予約制なので応募して当たらないとだめだ。

これが何度応募しても落選。

僕はくじ運が悪いので、息子やカミさんの名前で出してみたが、

やっぱり当たらない。

 

確か4年間トライし続けたが、結局、当選することはなく、

水族館お泊りツアーの夢は、海の泡となって消えた。

 

ということを昨年の夏に思い出し、

ブログに上記のような文章を書き始めたところ、

ふと、この悔しい体験を、

ちがう形でリベンジしたいという思いが湧いた。

 

そこで水族館をモチーフにした物語を書き始めた。

それがこの「魚のいない水族館」である。

 

どうしてあの時(たぶん今も)、僕は、そして大勢の人は、

夜の水族館に行きたい、泊まりたいと思ったのか?

そのわけをいろいろイメージしていくと面白くなって、

10日くらいで5回に分けて書いてみた。

 

それが初めてのまともな短編小説になった。

 

悔しかったこと(と言っても大したことじゃないけど)から

こんな物語を編み出せるなんて人生面白い。

 

夢がかなわなくても心配ない。

そのままの形ではないかも知れないけど、リベンジはできる。

あなたにも、きっと後からいいことある。

 

 

●あらすじ

 

失業中の主人公が足を踏み入れた、

街のはずれにある水族館には魚が一匹もいなかった。

彼のまえに現れた、魚のような顔をした館長は言う。

「魚はみんな海に返しました」

彼がそのことをブログに書くと、

なぜか水族館はその夏の大人気スポットになる。

そして季節が変わるころ、館長は彼に声をかける。

「もしよければ、ここで仕事をしませんか?」

夏から秋にかけて不思議な水族館で起きる出来事を描く

大人も愉しいファンタジックな少年少女小説。

 (短編:11,000字)

 

 

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12歳の少年の姿をしたロボットは、年老いたダンサーと出会う。

ダンサーはロボットを「かけがえのない友だち」と呼んだ。

娯楽も芸術も、人の癒しや愛情もロボットにゆだねられた、

機械仕掛けの世界で繰り広げられる長編SFファンタジー。