キャッシュレスの時代になっても「現金な世の中」

 

先日、取材で三田へ。
慶應義塾大学のあるこの界隈の和菓子屋さん。

福沢諭吉先生ゆかりのお店なのかと思ったら、
そういうわけではなくて、ただ単にお隣さんだから
・・ということらしいです。

 

確かにアイキャッチになる。
福沢先生もここの大福を食ったらしいから、
俺も食うと、1万円札とご縁が作れるかも・・・・
と、潜在意識の中で錯覚が起きるかもしれない。
そういう意味では、なかなか商売上手です。

 

でもそのサブリミナル効果もあとわずか。
1万円札として30年以上、お目にかかってきたこのお顔とも
もうすぐさよならですから。

 

5千円札は新渡戸稲造さんから樋口一葉さんに、
今度は津田梅子さんに変わるわけだけど、
いま、もう新渡戸さんのことの憶えている人は
少ないのではないだろうか。

 

「新渡戸稲蔵ってだれ?
むかしお札に載ってたらしいけど、
何した人だっけ?」

 

1万円札も渋沢栄一さんに変わり、
ますますキャッシュレス化が進んだら、
みんなもうこの人が誰だったのか
慶應以外の人たちは忘れてしまうでしょう。

「カネの切れ目が縁の切れ目」とはよく言ったもので、
自分にとって経済的な価値がなくなったものは、
人はどんどん忘れ去っていくようです。
キャッシュレスの時代になっても「現金な世の中」は変らない?