●グレタ現象の意味するもの
「TIME」の今年の顔にグレタ・トゥーンベリさんが選ばれた。
彼女のことが好きか嫌いか、
彼女の意見が是か非かはともかく、
やはり何かを象徴することなんだろうと思う。
僕たち日本の大人の大半は(たぶん)
「こんな小娘に何がわかる」と言っていた。
あの台風の災害がなければ、まだそう言い続けていただろう。
今年の漢字一文字は無難に令和の「令」になったが、
「災」とか災害絡みの文字を
思い浮かべた人も多いのではないだろうか。
僕はそうだ。
そして今後、これまでの季節感が
どんどん壊されていく気がする。
食物を生産する農業に与えるダメージも甚大だ。
「異常気象と温室効果ガスの因果関係は
はっきりわかっているわでけはない」
確かにそうだけど、
確かな数値が出そろう日なんていつ来るかわからない。
僕たちは脳のどこかで、実はもうはっきりわかっている。
証拠としての数値が揃わなければ何もやらないというのは、
行動を起こさないための言い訳に過ぎないのだ。
●本気のイノベーション
でも、まったく行動してないわけじゃない。
買物にはエコバッグを使っているし、
節電もしているし、使い捨てもだいぶしなくなった。
・・・ということはもう20年も30年も前からやっている。
企業も環境に配慮し、色んな開発をして
CO2削減の努力をしているし、
消費者もそういう企業が好ましいと思っている。
水や空気を汚して儲けまくっている企業など許されない。
そして、本、映画、テレビ、音楽。
さまざまなメディアを通して警鐘も鳴らされてきた。
・・・ということはもう20年も30年もさんざん行われてきた。
何もしてないわけじゃない。
それでも一向に環境が改善されないのは、
そんな取り組み方じゃ全然甘くて駄目なんだろう。
未来を生きる子どもたちは許さない。
大きな発想の転換。
地球と共存するための知恵。
本気のイノベーションが求められている。
●世界を動かす少女と20世紀の化石人
20年も30年も大して動かなかったことが、
ひとりの戦士のような少女が現れたことで、
大きく動くのであれば、それは素晴らしいことではないか。
今までのエコ活動は助走・伏線だったのだ。
そして今、求められているのは、その大幅なUPDATEである。
グレタさんの言動をあれこれ批判するヒマが会ったら、
どーんと受けて立って、
あれだけの発言をする裏付けになっている
科学的データを直視して
どうやってライフスタイルを変えるべきか、
これからの経済活動をどうすべきか、」
徹底的に考える。
それが僕たち大人の取るべき姿勢ではないか。
未来のことは子どもに学ぶ。
100まで生きるつもりなら、そうした態度が必要だと思う。
でないと、老害を振りまく20世紀の化石人になりかねない。
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