2019グレタ現象:未来のことは子どもに学ぶ

 

●グレタ現象の意味するもの

「TIME」の今年の顔にグレタ・トゥーンベリさんが選ばれた。

彼女のことが好きか嫌いか、

彼女の意見が是か非かはともかく、

やはり何かを象徴することなんだろうと思う。

 

僕たち日本の大人の大半は(たぶん)

「こんな小娘に何がわかる」と言っていた。

あの台風の災害がなければ、まだそう言い続けていただろう。

 

今年の漢字一文字は無難に令和の「令」になったが、

「災」とか災害絡みの文字を

思い浮かべた人も多いのではないだろうか。

僕はそうだ。

 

そして今後、これまでの季節感が

どんどん壊されていく気がする。

食物を生産する農業に与えるダメージも甚大だ。

 

「異常気象と温室効果ガスの因果関係は

はっきりわかっているわでけはない」

確かにそうだけど、

確かな数値が出そろう日なんていつ来るかわからない。

 

僕たちは脳のどこかで、実はもうはっきりわかっている。

証拠としての数値が揃わなければ何もやらないというのは、

行動を起こさないための言い訳に過ぎないのだ。

 

●本気のイノベーション

でも、まったく行動してないわけじゃない。

買物にはエコバッグを使っているし、

節電もしているし、使い捨てもだいぶしなくなった。

 

・・・ということはもう20年も30年も前からやっている。

 

企業も環境に配慮し、色んな開発をして

CO2削減の努力をしているし、

消費者もそういう企業が好ましいと思っている。

水や空気を汚して儲けまくっている企業など許されない。

 

そして、本、映画、テレビ、音楽。

さまざまなメディアを通して警鐘も鳴らされてきた。

 

・・・ということはもう20年も30年もさんざん行われてきた。

何もしてないわけじゃない。

 

それでも一向に環境が改善されないのは、

そんな取り組み方じゃ全然甘くて駄目なんだろう。

未来を生きる子どもたちは許さない。

 

大きな発想の転換。

地球と共存するための知恵。

本気のイノベーションが求められている。

 

●世界を動かす少女と20世紀の化石人

20年も30年も大して動かなかったことが、

ひとりの戦士のような少女が現れたことで、

大きく動くのであれば、それは素晴らしいことではないか。

今までのエコ活動は助走・伏線だったのだ。

そして今、求められているのは、その大幅なUPDATEである。

 

グレタさんの言動をあれこれ批判するヒマが会ったら、

どーんと受けて立って、

あれだけの発言をする裏付けになっている

科学的データを直視して

どうやってライフスタイルを変えるべきか、

これからの経済活動をどうすべきか、」

徹底的に考える。

それが僕たち大人の取るべき姿勢ではないか。

 

未来のことは子どもに学ぶ。

100まで生きるつもりなら、そうした態度が必要だと思う。

でないと、老害を振りまく20世紀の化石人になりかねない。