インタビューをする人は、
相手にこの質問を投げてみるといいと思います。
仕事柄、インタビュー取材が多いのですが、
ビジネス関係だと、通常は仕事の話、商品の話、
サービスの話ばかりになります。
当たり前だけど。
それだけで面白く、興味を持てる記事になる場合も、
もちろんありますが、
それだけだとどうも味が薄いなと思うことの方が多いのです。
“会社を代表して”応じる社員の方は、
選ばれて出てくるだけあって優等生がメイン。
なので、受け答えも無難な模範解答になりがちです。
今時のインタビュー記事に求められるのは、
実はその話している人の人柄です。
どんな人がその仕事について、商品について、サービスについて
語っているのかが結構重要。
読者はその人となりを読み取ろうとします。
もちろん仕事の話のインタビューで、
それがメインになることはあり得ませんが、
この「人間味」という隠し味が効いているのと、いないのとでは
かなり出来上がりの文章のクオリティが違ってきます。
ただし通常のクライアントさんは、
あんまりそんなの気にしません。
それどころか、余計なこと訊いてくれるなという場合が多く、
間に入っているメディアや広告代理店の担当者は、
かなりドキドキハラハラするようです。
でも僕は時間とチャンスがあればやってしまいます。
ただし、プライベートなことに関わってくるので、
「あなたの趣味は?」みたいな質問は良くありません。
親しい友人同士の間がらならともかく、
初対面のインタビュアー、ライターに
こういうことを訊かれたら、
ほとんどの人は反射的に身構えます。
べつにやましいこと、恥ずかしいことをやっているわけじゃなくても、
趣味について語ることは、イコール、人間味をさらけ出すこと。
脳の防御本能が働いてしまう人が大半で、
適当な、当たり障りのない答で逃げられてしまいます。
そこで便利なのがこの「健康の秘訣」というキラークエッション。
一通り要件を訊き終わった後で、
「お元気そうですが、○○さんの健康の秘訣は何ですか?」
と訊いてみる。
これだけストレスという概念が普及した世の中で
仕事をしていて何のストレスも感じてないと言う人は
ほぼ皆無と言っていいでしょう。
なので質問自体は自然だし、
相手も安心して答えてくれる人、
割とノッて答えてくれる人が多い。
そして、その答はたいていスポーツとか、
音楽がやる・聴くとか、趣味の分野と繋がってきます。
すると抵抗なく、趣味や生活習慣、家族などの話に広がっていく。
大病や手術をしたなんて、
ちょっとシリアスな話になる場合もありますが、
そういう告白をする人に対しては、
ちゃんと聞いてあげると、むしろたいへん満足します。
中には「仕事が楽しくてストレスなんてたまらない」とか、
「健康のケの字も考えてない」とか、
「俺の健康の秘訣はタバコをバカバカ吸うことだよ」
なんて返してくる豪傑もいますが、
それはそれで「じゃ、仕事の時以外では
どんなところで活躍しているんですか?」とか、
「じゃ、タバコとかお酒とか詳しいんじゃないですか」とか、
いろいろ展開でき、相手もたいがいそうした話題には
気分を良くしてくれます。
もちろん、このへんの話を全部記事にできるわけではないけど、
相手の人柄がにじみ出してきて、とても面白いです。
機会があればぜひ試してみてください。
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