●トイレ掃除はサービス業の大問題
お店のトイレに入って清掃表を見たことはあるだろうか?
「決められた通り、○時○分にお掃除しました」という証明に、
それぞれのスタッフがハンコを押すアレ。
あれを見るたびに、
「ああ、もっとスタッフが楽できる方法はないのかなぁ」と
思ってしまう。
そして、このAI・ロボット社会の黎明期にあって、
このトイレ掃除こそ、
いの一番にロボットの力を借りるべき部分ではないかと思う。
大勢のお客さんが出入りするお店は、
とにかく掃除が大変だ。
やってもやってもすぐに汚れてしまう。
そのため、30分おきとか1時間おきとか、
かなりの頻度で掃除しなくてはならない。
けっして生産的な仕事ではない。
にもかかわらず、重要度は相当高い。
トイレがきれいか汚いかというのは、
その店の印象を大きく左右するからだ。
特に飲食店などではイメージを決定づける一大要素になる。
どんな高級レストランや、お洒落で美味しいお店でも、
トイレが汚かったりすると、どっちらけ。
食事の満足感がご和算になったりもする。
男の僕がそう思うくらいだから、
女性はもっと敏感だろう。
●トイレこそ機械不可侵の、人類の聖域
もちろん、ちゃんとした経営者は
そういうところがよくわかってて、
スタッフに指示してまめに掃除を行う。
しかし、ヒマな時間ならいいけど、
多忙な時間にそれを実行するのは、たいへんな負担だ。
少し大げさかもしれないが、
サービスの質を落とすことにもなりかねない。
それで僕はロボットに掃除を任せよう
――と提案するのだが、
これは意外とハードルが高いようだ。
床掃除のロボットはすでに出ているが、
トイレ掃除のロボットというのはまだ聞かない。
ロボットにとってトイレという場所は難易度が高い。
何といっても水を使う場所は、機械に不向きだ。
自分でやってみるとわかるが、トイレ掃除は
床掃除などと比べて、ずっと複雑で細かい動作を必要とされる。
それも割と小さなスペースの中で動かなくてはならないので
けっこう大変だ。
そしてまた、排せつはロボットが体験できない行為。
ウンコやオシッコの構成物質については
科学的に分析出来るのだろうが、
人間があの空間に求めるデリカシーを
はたしてどこまで理解し、配慮し、実現できるのか。
ある意味、トイレこそ最も人間らしいスペースであり、
機械が入り込めない最後の聖域なのかもしれない。
●ロボットカフェがオープンしても、
トイレ掃除は人間の仕事
ところで今度、12月5日に渋谷の東急プラザに
「Peppar PARLOR」なるカフェがオープンする。
「ロボットと過ごす未来を体感できるカフェ」が
キャッチフレーズで、
店名の通り、かのPepparくんをはじめとする
ロボットたちがおもてなししてくれるようだ。
当然、話題になるだろうし、
僕もぜひ行ってみたいと思う。
https://robotstart.info/…/…/06/pepper-parlor-menu-robot.html
だけど、Pepparくんは看板スターだ。
トイレ掃除なんかしないだろう。
床掃除をするロボットはいるらしいが、
こいつもトイレは無理だと思う。
今日までマイナビでアルバイトの募集をしていたので、
トイレ掃除は彼ら・彼女ら人間の仕事になるに違いない。
(トイレはお店専用でなく、そのフロアの共用トイレを使う
可能性があるので、Peppar PARLORのアルバイトさんたちは
掃除はせずに済むかもしれない)
要するに、AI・ロボット社会は始まったばかり、
まだそういう段階だということ。
●トイレ掃除ロボットは今後最大のビジネス
しかし、こうした問題のあるところにこそ
ビッグなビジネスチャンスがある。
ロボットメーカーか、トイレメーカーか、清掃会社か
いずれか、あるいは共同で、
高性能(と言っても人間お清掃員ができるレベル)の
トイレ掃除ロボットを開発したら、
とんでもなく儲かるのではないだろうか。
店でも駅でも公共施設でも、
入口の隅でちょこんと坐って待っているロボットが、
トイレの汚れを感知して、いそいそと入っていって
キュキュキュと素早くきれいにしてくれる――
そんなトイレ掃除ロボットが活躍じ始める時こそ、
本格的なAI・ロボット社会が来るのではないかと思う。
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