人間味豊かな会社だね、と思われたい

 

先日、とあるIT企業に取材に行って感じたことがある。

彼らは自社が提供する製品――システムの優秀さよりも、

そのシステムの運用をサポートし、、

お客さんと心を砕いたコミュニケーションを取っている社員が、

いかに人間味があって優しいかをアピールしていた。

 

それが何だかすごく面白くて、

もしかしたら、これから先はこういう会社が

増えるかも知れないなと思った。

 

システムエンジニアなどの仕事をしていると、、

毎日、年中、コンピュータに向き合わなくてはならない。

 

AIの保守管理についてはよく知らないが、

その担当者もやはり機械と向き合う日々なのだろう。、

 

そうした人たちはたぶん、

パソコン漬けの生活を続けることに対して

そこはかとない危機感を持っている。

 

そして、同じ社内の人たちも、

どこかでそういう人たちの生活状況を慮っている。

 

あまりクールで機械的なイメージが鼻についてしまうと、

お客さんから嫌われたり、

社会に対する企業イメージが低下すると思っているのだ。

 

カッコいい車やマシンやロボットを作っている会社なら、

クールでカッコいいイメージの方がウケるだろう。

 

しかし、システム開発といった“普通の”IT企業だと、

あんまりクールでスマートな自己イメージには

抵抗があるのではないだろうか。

 

それよりもちょっとくだけたところ、抜けたところ、

笑えちゃうところ、人間として可愛いところをアピールしたい――

あたたかい人肌のある会社だと思われたい。

そう考える。

 

AI・ロボット時代において、

優秀である、役に立つ、機能的である――

といったエリート人間の

価値は下がるかもしれない。

 

それよりも「人間味」がより高い価値をもち、

重要なキーワードになる。

そんな気がする。