Nスペ「AIでよみがえる美空ひばり」を観た。
AIによってよみがえった美空ひばり(音声+映像)が
30年ぶりに新曲を披露する。
そのメイキングだ。
僕はべつに美空ひばりのファンではないが、
このAIの新曲「あれから」」には心を揺さぶられた。
若手作曲家のメロディに、「川の流れのように」を書いた
秋元康氏が詞を付けたものだ。
正直、今まで聴いた身空ひばりの歌の中で最高だと思った。
そして、AIはもう芸術の分野でもここまでできるのかと
驚愕した。
今、世界中でこうしたAIによるミュージシャンの再生の
試みがされているようだ。
この番組でもテレサ・テン、バディ・ホリー、
マリア・カラスなどの例が紹介されていた。
懐メロ趣味のおじさんみたいなセリフだけど、
やっぱり昭和の時代、海外なら1950年代半ばから
1990年代前半あたりまでの大衆音楽・
ポップミュージックは素晴らしい。
ものすご~く大ざっぱにいうと、
あの時代はあらゆる歌・音楽に
「もっと自由になっていいんだ」
「もっと自由に表現できるんだ」という
時代の空気がこめられていた。
もうああいう時代は帰らない。
ああいう楽曲群は生まれない。
今の若い連中もたぶん、それは認めている。
新しい曲は、必ずあの時代の音楽の影響下に作られる。
カバー曲も量産されている。
歌唱技術・演奏技術は進化しているので、
みんな、めちゃくちゃうまいし、感心するアレンジもたくさんあるが、
オリジナルはやっぱり30年から50年前のものがほとんどだ。
権利問題とかいろいろ障壁があるので、
そう簡単ではないと思うが、
こうしたAIによるミュージシャンの再生は
どんどん増えるだろう。
そしてビジネスにもなるだろう。
エルヴィス・プレスリー、ジョン・レノン、
デビッド・ボウイ、フレディ・マーキュリー
マイケル・ジャクソン・・・
AI・ロボット技術に対する
不安・猜疑はあるものの、
何よりも世界中の人々が死者たちの再来を待っている。
これからの時代、がんばっていく力を得るために
あの時代の歌・音楽を共有した人たちの心が
ミュージシャンをよみがえらせる。
身空ひばりの「あれから」、本当に良い曲ですよ。
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