神楽坂にある、友人のカフェ/バーが、
東京都から店の方針の転換を迫られているという。
全席禁煙にするか、シガーバーにするか。
その店は1950年代~70年代のムードがウリで、
壁には「ゴッドファーザー」など、
その時代の映画のポスターや、
ポップスのレコードのジャケットなどが飾られている。
さりとて、そんなにマニアックな感じでもなく、
フツーの人でも気軽に入れるお店なので、
近所の、割と年齢層高めのお客が集まってくる。
そして、その大半はタバコを吸う。
周囲の飲食店はあらかた禁煙化されてしまったか、
もしくはドアで遮断されて完全分煙化されてしまったので、
昔のように安心して、ストレスなく吸える店として
重宝されているようだ。
夜は行ったことがないが、
特に60代以上の人たちにとっては、
お酒も飲めて、さぞかし楽しい雰囲気になるのだろう。
まさしく“酒、タバコ、やめて100まで生きたかねぇ”人たちの
至福の空間だ。
しかし今や、世界に認められる国際文化都市・東京では、
そんな店の存在は許されない。
来年4月までに、お役所のお達しに対して
返答をし、店の在り方を決めなくては、罰金5万円を払わなくてはならない。
5万円と言っても1回きりではない。
直さなければ、年に何度か永遠に支払い続けるのだ。
店の構造からして、最近のチェーン店みたいに
ドアを作って完全に分煙にするというわけにもいかない。
禁煙にしたら売り上げは確実に半減する。
しかも店内にはタバコの匂いがしみついてしまっているので、
全面改装しない限り、
そのまま禁煙店として続けるのは難しいだろう。
友人は小池百合子に対して、
あーだこーだと抗議――
というか、愚痴をこぼしていたが、
選択肢としては、もう、葉巻を置いて
シガーバーにするしかない。
カッコいいシガーバーにして、
20世紀のタバコ文化を後世に伝えていきゃいいじゃん、
と思うのだが。
オリンピック/パラリンピックを前に、
東京の飲食店は規模の大小を問わず、
こうした状況に置かれているようだ。
そういえば、家で吸う時でも、
小さな子どもに受動喫煙させたらペナルティだもんね。
あなたもタバコを吸ってるなら、
シガーバー通いするしかなくなるかも。
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