電車内やホームでの暴力に対する
キャンペーンのポスターを
よく見かけるようになった。
このキャンペーンは2014年の暮れから
毎年7月と12月、年2回やっているそうだ。
じつは20年以上前、5年にわたって
関東私鉄協会のビデオを作っていたことがある。
内容は、勤務中・作業中の鉄道会社社員の
安全に対する注意を啓発するものだ。
その中に乗客による、車掌や駅員に対する
暴力への対処の仕方というのもあった。
いろんなケースの事例メモを戴いて
台本を作る。
注意したり、寝ているところを
起こそうとして殴られたとか、
乗客同士のケンカを仲介しようとして
袋叩きにあったとか、
そのメモに書かれている、
あまりに理不尽な暴力の実態を見て、
「なんで我慢しなきゃいけないの?
正当防衛はできないんですか?」
と、思わず意見してしまった覚えがある。
とにかく、やられ放題、言われ放題。
乗客のストレスのはけ口にされている。
お客様だから手を出せない
というのがクライアントさんの答だった。
その実情は四半世紀の間、
まったく変わっていなかったようだ。
この電車内暴力の問題、
ほとんど酔っぱらいの仕業だろうと思っていたが、
2割くらいは素面の人が起こしているらしい。
そこでピンときた。
2014年からキャンペーンという形で復活したのは、
スマホの普及が関係しているかも知れない。
そんな予測を立てて、
総務省の情報通信白書のデータを見ると、
安の定、2011年に29・3%だった保有率は、
2012年に49・5%、2013年には62・6%に
跳ね上がっていた。
通路の狭い所や混んでいる所で
ちんたら歩きスマホをしている人がいると、
急いでいても前に進めない。
これは相当イラつく。
また、せっかく乗換案内を検索して、
ちゃんと乗り換えプランを立てて乗ったのに、
事故や故障で電車が遅れたりすると、
これもまたイラつく。
おまけにイヤな情報がその場で入ってきたりすると、
ますますイラつく。
それが乗客同士のトラブルに発展したり、
駅員や車掌に対する暴力になったりしているのではないか。
ちょっとこじつけすぎ?
もちろん正確な因果関係は分からないけど、
何かしらの影響はあるんじゃないかと思う。
狭い車内に閉じ込められているストレスと、
普段から感じているストレスが融合して
つらい状態になってるけど、
このポスターに書いてあるように
大人なら当たり前のこと守らないとね。
と言いつつ、今日も歩きスマホのご婦人が
前を歩いてたせいで、1本乗り損なってしまい、
「おまえのせいで~ ムカムカ」と、
心の中でキレましたが。
電車に乗る時は、時間と心に余裕を持ちましょう。
忙しいし、難しいんだけど。
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