先日、今年もまた、国連の持続可能開発ソリューションネットワークが発行する、幸福度調査レポートが発表された。
いわゆる「世界幸福度ランキング」です。
やっぱりというか、
案の定というか、
相変らずというか、
日本は下位に低迷。
今年は58位。
昨年が54位だったから、4つ順位を下げたことになる。
年々じりじりと下がり続けている。
今年は韓国より下になってる。ガーン!
でも中国よりはだいぶ上だ、ホッ。
なんて言ってランキングに一喜一憂している日本人の皆さん、
そうやって他人と比較する癖が抜けなければ、
永遠に幸福にはたどり着けません。
それにこの国連のランキング、
欧米の価値観を基準にして作られているから、
そんなに気にして一喜一憂してもしゃーない。
いつも日本の幸福度を下げている「他者への寛容さ」の項目は、
寄付をしたか・しないかがポイントの高低の基準だというので、
そうした習慣が定着していない日本が低くなるのは、
当たり前なんです。
今年のベスト3は、フィンランド、デンマーク、ノルウェーと、
例年同様、北欧勢が強い。
でも、かといって日本人が北欧で暮らせば、幸福を感じられるかというと、まずそんなことはないだろう。
確かに社会保障は充実しているけど、その分、税金はたまげるほど高い。
平均的な生活水準だって、日本と比べてけっして高いわけではないと思う。
貧富の差だってもちろんあるし、いろんな社会問題もあるし、犯罪だって起こる。
そして何よりも、あの地域は1年のおよそ4分の3が「冬」だ。
寒いのにプラス、今ごろもまだお日さまが拝めず、1日中ほとんど真っ暗である。
その分、夏は白夜で、1日中お日様が出ているが、それもわずかな期間だ。
こんなところで現代の日本人が暮らしたら、とたんにうつ病になりそうだ。
それに比べれば、四季折々の、美しく、バリエーション豊富な自然を楽しめる日本は断然、恵まれている。
食べるものだって、その幅の広さもクオリティも、おそらくは世界一。
アニメもマンガもゲームも、たぶん世界一。
社会保障だって、世界の他国と比べて、そうダメなわけでもない。
お金だってあって生活水準は高いし、健康寿命も長い。
北欧の人なんか、日本は天国だと思っているのではないか。
日本ほど幸福な国はないと思っている人は、世界にはいっぱいいるはずだ。
けれども北欧人は、人生に幸福を感じている人が多く、
日本人は少ない。
なんで?
よく言われることだが、結局、生きるための軸が自分にあるのか、
他人にあるのかの違いなんだと思う。
被害者意識の強い人が多すぎる。
あの人と比べて、私はこんなに不幸、運が悪い、恵まれてない。
くそー、あんちくしょう、恵まれやがって。
早く落ちぶれればいいのに・・・。
とかなんとか。
そして、子どもの声がうるさいから、近所に保育園なんか作るなとか、
わが街のブランド価値が下がるから、児童相談所なんか作るなとか、
他人の立場に立って考えられない想像力の欠如と余裕のなさ。
こういうのは「他者に不寛容」と言われてもしかたないだろうね。
さらに、それをなんでかと深掘りすると、
子どもの声を許容できないほどの疲労とストレスの蓄積や、
土地が高く、ブランド価値が高い地域に住んでいることを
支えにしなきゃならないような心の在り方が、
構造的不幸をつくっているんだと思う。
日本人が幸福感を高められる日は、やって来るのだろうか?
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