小さな会社でも社内で新規事業を立ち上げ、
一つのブランドとして展開させるケースが増えてきた。
レギュラーで仕事をしている鎌倉新書の月刊仏事では、
毎月、葬儀・供養業界(この頃は終活とかシニア問題なども加わる)の
ニュース記事を書いており、いろいろネタをリサーチするのだが、
そういうケースによく出会う。
10年余り前、「おくりびと」という映画が公開されるまで、
やはりまだ葬儀屋さんに対する世間の差別意識は強かったと思う。
それがたった10年で、高齢化社会・多死社会の進展とともに、
みんなが参入したがる成長産業になった。
ちなみに鎌倉新書も僕が最初に訪れた時は、
小伝馬町の小さなビルの1フロアにある小さな会社だったのだが、
あかれよあれよという間に成長して、
八重洲の一等地のビルにオフィスを構える
東証一部上場企業になった。
お金儲けがしたくて、もともと畑違いの会社が安易に入ってくる――
という批判的な見方もできる。
でも、これはちょっと一面的過ぎる。
たとえば以前「ラストドライブ日本版」の記事で紹介した
タウという埼玉の会社は、
事故車の買い取りをして海外へ輸出する事業をしている。
ここが「願いのくるま」という法人を立ち上げ、
ターミナルケアを 受けている人を希望の場所に車で連れて行く、
という事業をボランティアでやっている。
高齢者が増えたことによって、
こうしたケアや葬儀・供養に関する社会的ニーズが激増中なのだ。
また、それだけでなく、社会通念が変わり、
死を仕事にする人たちを忌み嫌う風潮がかなり弱くなった。
こうした理由から異業種からの参入者が増えているのだと思う。
とは言え、いきなりそれだけで新しく会社を起こすのは
あまりにリスキーなので、社内の事業単位で
独立したブランドを作るのだろう。
異業種から参入するからには、
いろんなストーリーがありそうだが、
残念ながら、ホームページを見ているだけだと、
なんでこの会社が葬儀事業を???
と、分からないことが多い。
仏事の新連載企画として、異業種からの参入ストーリー
というのをやってみようかと思っている。
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