マイナビ農業の取材で朝からカメラマンの車で長野県佐久市の農家へ。
ここ数日、暖かかったので油断して薄着で行った。
なんといっても長野。スキー場も近いし、当たり前に寒い。
お昼過ぎに仕事が終わったので、帰り道、ランチにかの横川名物「峠の釜めし」を食おうということになった。
サービスエリアに行ってみてメニューを見ると「あったかけんちんひもかわうどん」というのがある。
キモかわ? 紐革? なにこれ?
釜めしは食べたことあるし、冷えていたこともあって頼んでみた。
ちなみにこの横川SAの食堂は券売機で食券を買うと、厨房へ自動的にオーダーが入ることになっている。
食券の右上には注文番号が入っており、食事を出すカウンターのところではおばちゃんがマイクでその食券番号を読み上げると、自分で券を持って行って、注文したメニューを受け取るという仕組みになっている。
で、僕の注文の「あったかけんちんひもかわうどん」。
これは言ってみれば「拡大きしめん」である。
わが故郷・名古屋の名物きしめんは平べったいうどんだが、この横川名物ひもかわうどんは、それをはるかに凌駕する平ぺったさで、めんの幅は普通のきしめんの3~4倍、ゆうに5センチはあえりそうだ、
平べった過ぎてちょっと食べにくいが、つるっ、もちっとした食感は喉をくすぐるような感じで気持ちいい。
そして鶏と野菜の入ったけんちん汁(ちょっと甘いので七味を少し多めにかけた)がうまいことからんで、これはうまい。
それにしても「ひもかわ」ってどういう意味だろうと思って、帰ってネットで調べて、いたら、どうもこれは愛知県三河地方――徳川家康の出身地――信長や秀吉の出身地である名古屋を中心とするWest Aichiの尾張地方とは、明らかに違う文化圏であるEast Aichi(同じ愛知県の名古屋圏よりもむしろ静岡県との共通点が多い)にある「芋川」といいう土地に由来しているらしい。
尾張と三河を隔てて流れる境川の三河側、現在の刈谷市北部がその「芋川」にあたるということで、江戸時代、その辺りの茶店で売られていた平打ちのうどんがそう呼ばれていたようで、井原西鶴の『好色一代男』や十返舎一九の『東海道中膝栗毛』にも登場するとのこと。
それが尾張(名古屋)へ行ってきしめんになり、どういう経緯かは知らねど、関東の「山間に入って「ひもかわうどん」になったらしい。
ちーとも知らなかったけど、この平ぺったいうどんをめぐるストーリーは、突っ込みがいのある、面白そうな話だ。
が、今日のところはここまで。
ちょっとお値段が高くなってしまうが、峠の釜めしとセットで食べると上州を満悦できそうだ。
ちなみのこのサービスエリアでは、本物の電車車両にテーブルを取り付けた席もあり、駅弁気分で釜めしを食べられる。
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