家の中を掃除しながら、ああまた1年が終わるなぁ、また一つ齢を取るなぁと思いつつ、齢を取るとはどういうことなのか考えていた。
結論から言うと、齢を取るとは、自分という人間のスト―リーが見えてくるということだ。
結局、自分は自分であって他の人間とは違っている。
自分がやれることも、本当にやりたいこともあらかじめ決まってたことに、今年一年でやっと気が付いた。
流行を追っても、他人が持っているものを欲しがったり、ましてや真似をしていてはだめだ。
そう悟ったのか、諦めたのか。
この夏、事故で頭を打ち付けたことが効いたのかもしれない。
20代・30代の頃は自分のストーリーなんて何にもわかってなかったので、とにかくなんでも体験だ!と思って、あっちこっち出歩きまくって、見て回って、手当たり次第にいろんなことをやっていた。
それが50代も後半になって還暦が近づいてくると、脳の中に映し出される風景はすっかり変わってしまった。
体力はも落っこちてくるし、自分の残り時間が気になってきて、大してやりたくもないこと、人との付き合いでしかたなくやることなどにエネルギーも費やしている余裕はない。
正直、好奇心や冒険心も薄れているのだろう。
もはやかつてのように気の向くままに、あちこち首を突っ込むことはできない。
逆に言えば、若い時代にそれができてとても幸運だった。
ただ、本当に自分が興味を引かれる世界、自分のストーリーにマッチした世界にはとことんつっこんでいきたいと思う。
あとは日々コツコツと自分の畑を耕して、少しでも多くの作物を作って収穫できればいいと思う。
これは美味しいと食べてくれる人がいれば、なおいい。
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