高田馬場の早稲田松竹に映画を観に行った。
「フロリダ・プロジェクト」と「レディ・バード」の2本立て。
この映画館はいつもテーマを設けて常に2本立てで上映している。
今回は「Moher&Daugthter 大切な時間を過ごしたあの場所」というテーマだ。
フロリダ・プロジェクトは息子のおススメ作品の一つ。
最近の新しい映画や小説や漫画の情報は息子頼みだ。
舞台はディズニーワールド付近の安モーテル地域。
真っ青な空のもと、観光客をターゲットに、極彩色のフェイク感たっぷりのモーテルやギフトショップや飲食店が立ち並ぶ。
そのモーテルの一つはシングルマザーらの住処になっていて、主人公の母娘もそこでひと夏を暮らしている。
6歳の娘のワルガキぶり、その母親のBitchぶりがすごいパンチ力だ。
見た目30出たとこのこのかあちゃんは、実はかあちゃんじゃなくて、15歳で妊娠・出産しちゃった娘の子を引き取ったのだという。
つまりこの母娘は、ホントはばあちゃんと孫娘というわけだ。
いわゆる底辺に生きる人たちを子供の目線から描いており、ちょっとファンタジックでコミカルな世界が広がる。
その中でリアル感を発散しているのがモーテルの管理人のおじさん。
このろくでもない母娘に手を焼きながらも、観ていて泣けるほど優しく暖かくてシブくてカッコいい。思いっきり感情移入してしまった。
最後の方になんと本物のディズニーワールドが現れるのだが、このラストシーンはめちゃくちゃ斬新だ。
「レディ・バード」はカリフォルニア州サクラメントの高校からニューヨークの大学に入学する女の子の青春&ファミリードラマ。
サクラメントというのは行ったことないけど、この映画で見る限り、田舎町といえどもそこそこ豊かで、余計な夢や野望など抱かず、適当に周りと合わせていればぬくぬく暮らせるような街。
日本でいえば、昔の名古屋みたいなところかなぁ。
主人公の自称レディ・バードはそこから飛び立ちたいと願って母親と衝突するのだけど、これはこの子どもと母親・父親の両方の気持ちになれて面白かった。
齢を取ると、こうした青春&ファミリードラマは二重に楽しめる。
早稲田松竹は昔ながらの面影を残す、好きな映画館の一つだ。
古い体質なのかも知れないけど、映画は基本的に家では見ないので、こうした街の名画座があるのはとてもありがたいし、がんばってほしい。
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