10代から20代の前半くらい、自分のことを「ぼく」という女がチラホラいた。
べつに性同一障害とか、そういうことではない。
「変身願望」とか「ほんとは男の子になりたかった」とか、心理学的にいろいろありそうだが、少なくとも表面的には皆、その一人称以外はいたってフツーで、見た目も可愛く、頭脳も明晰そうだったと記憶している。
「リボンの騎士」や「ベルサイユのばら」など、宝塚歌劇系の影響が強かったからだろうか?
そういえばあの時代(1970~80年代初めごろ)、一人称に「ぼく」を用いて男の立ち場に立って歌う女性歌手が多かったと思う。
代表的なのはイルカの「なごり雪」か。
あれはもともとかぐや姫の伊勢正三の曲だけど、後にイルカの旦那になるプロデューサーが彼女に歌わせてくれと直談判したらしい。
それがイルカのキャラクターとマッチして大ヒットし、後世に残る名曲となった。
今年亡くなった森田童子の歌もほとんどが「ぼく」の一人称だった。
あの頃の流行だったかもしれないけど、少なくとも歌の政界では今でもAKBなどのアイドルが「ボク」「キミ」っていう呼称を使っている。
そこで気になってネットで調べてみたら、「ボクっ娘」とか「ボク少女」とかのカテゴリーがあるという。
これはマンガ・アニメ・ゲーム等のサブカルチャーの世界で、女の子キャラクターがそれぞれの個性を立たせるためにそういう、通常は男が使う一人称を用いることがままあるようだ。
あくまでイメージだけど、確かに萌えキャラで「ぼく」と言っている娘はたくさんいそうな気がする。
歌にしてもサブカルにしてもバーチャルな世界でそういうキャラが重宝され、活躍するのはわかるけど、現実的にはどうなのか?
やっぱり気になって現役若者の息子に「おまえの中高あたりの同級生の女の子で自分のことをボクっていう子いた?」と聞いたら、全然いなかったという返事。
バーチャルで増殖している分、リアルでは絶滅危惧種になっているのか?
どうでもいいことなんだけど、気になり始めるととことん気になって、仕事にニャラならなくなってしまったので一筆。
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